殺人

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号平成30(わ)142
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
1 争点
被告人が,本件犯行当時,うつ病にり患していたことは当事者間に争いがないと
ころ,検察官は,うつ病の影響は限定的であったとして完全責任能力を主張し,弁
護人は,被告人はうつ病の影響により心神耗弱の状態にあったと主張する。
当裁判所は,被告人について完全責任能力があったと言い切るには合理的な疑い
が残り,心神耗弱の状態にあったと判断した。その理由は以下のとおりである。
2 裁判所の認定事実
被告人の公判供述等の関係各証拠によれば,次の事実が認められる。
⑴ Aの成育歴,被告人との関係等
ア Aは,重度の知的障害を伴う自閉症であり,本件犯行当時,精神年齢は3歳
程度であって,他者とのコミュニケーションについては,自身の要求を単語で伝え
- 1 -
ることはできるが,会話は困難な状態であった。
Aは,4歳頃までには自閉症と診断され,保育園等に通った後,小学校から高校
までは養護学校に通っていたが,中学校に入学して以降は,しばしば他の生徒を叩
いたり,物を壊すなどの問題を起こすことがあった。
Aは,高校卒業後の平成23年4月以降,障害者支援施設に通い,主に生活介護
を受けていたが,他の利用者らに対して他害行為(頭突き,押す,蹴る,叩く等)
に及ぶことが増えていったことから,施設側の求めにより,平成28年12月5日
を最後に利用が中止された。その後,Aは専ら自宅で過ごしていたが,被告人の妻
(Aの母)やAの妹に対して,しばしば,腕を引っ張る,叩くそぶりを見せるほか,
棚を叩いたり建具等を壊す,壁に落書きをするなどの行動に出るようになった。ま
た,前記施設の利用中止後に,他の施設を短期間利用することがあったが,その際
にも他害行為に及ぶことがあった。平成29年4月頃,被告人らの求めによりAに
処方される精神安定剤が強いものに変更された後は,Aはおとなしくなり,乱暴な
行動に出ることは減ったが,被告人に対してかばんを押し付けるという行動に出る
ようになった。
イ 被告人は,Aの幼少時から入浴や食事の介助などの世話をし,プールや公園
に連れて行ったり,Aが好むおもちゃを買い与えたりするなどして養育していた。
被告人は,保育園の参観日において,他の子と同様に行動することができないAを
見て,他の保護者等の面前でその頭をはたいたことがあり,その後も,Aが問題行
動に出たり注意を聞き入れないときには,腕や背中を平手で叩くことがあったが,
Aが中高生になる頃には,被告人がこれらの行為に及ぶことは減っていった。Aの
日常の世話は主に被告人の妻がしていたが,被告人は本件頃に至るまで,Aの頭を
洗う,ひげをそる等の世話をしたり,休日にはAも交えて家族で買い物や散歩に行
くなどしていた。
⑵ 被告人の病歴等
ア 被告人は,平成19年頃,仕事上のストレス等を契機に

主文(判決文より)

被告人を懲役3年6月に処する。
未決勾留日数中500日をその刑に算入する。
名古屋地方検察庁で保管中のロープ2本(同庁平成30年領第1015号符号1―
1及び1-2)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。