事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(わ)471 |
| 判決日 | 2020-03-27 |
| 分類 | 知的財産 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,⑴被告人が電磁的記録等を作成し,開示した情報が「営業秘密」 に当たるか(被告人に営業秘密であることの認識があったか)(争点⑴),⑵被 告人の行為が営業秘密の「領得」に当たるか(争点⑵),⑶被告人が情報を領得 し,開示したことが任務違背に当たるか(被告人に任務違背の認識があったか) (争点⑶),⑷被告人に「不正の利益を得る目的」があったか(争点⑷),であ る。当裁判所は,罪となるべき事実のとおり認定したので,その理由を補足して 説明する。 第2 前提となる事実 関係証拠(甲37,40,46ないし55,証人Hの証言,被告人の裁判所調 書)によると,次のとおり認められる。 1 被告人は,昭和53年,Aに入社し,それ以降,同社やその関連会社で勤務し ていたが,平成22年3月,Aを退職し,同年4月,同社の子会社であるBに転 籍した。 2 被告人は,平成23年4月,Bにおける商品開発等の業務を行う必要性から, Aの情報管理システム「I」にアクセスし,Iに保管されている情報を閲覧等す る権限を付与された。Iは,同社の保有する機密情報が記録され,その電磁的記 録媒体として同社及び子会社で共有されたコンピュータ・ネットワークのデー タベースである。 3 被告人は,平成24年10月ないし12月頃,当時Bの社長であったHから退 職を促され,平成25年2月12日に辞表を提出し,同年3月15日に同社を退 職した。 4 被告人は,Bに在籍中,同社本社内において,Iにアクセスし,本件情報が記 載された商品設計書を取得して,これを基にパワーポイントを用いて本件各塗 料の原料及び配合量の情報についての電磁的記録(以下,Cに関するものを「完 成配合表①」,Gに関するものを「完成配合表②」という。)を作成した。 5 被告人は,平成25年2月,Dから同社の取締役への就任の打診を受け,同年 4月,Dに入社し,同年6月,同社の取締役に就任した。 6 被告人は,同年4月頃,Dにおいて,完成配合表①を基に作成した「J」と題 する書面(以下「推奨配合表①」という。)をDの従業員Eらに手渡した。 7 被告人は,同年8月2日,兵庫県三田市又はその周辺において,完成配合表② を基に作成した「K」と題する電磁的記録(以下「推奨配合表②」という。)を 添付した電子メールをDの従業員Fに送信した。 8 Dは,被告人により開示されたCに係る情報を用いて塗料「L」を,Gに係る 情報を用いて塗料「M」を,それぞれ開発製造して販売した。
主文(判決文より)
被告人を懲役2年6月及び罰金120万円に処する。 この裁判が確定した日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。 その罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換算した期 間被告人を労役場に留置する。 訴訟費用は被告人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。