事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(行ウ)76 |
| 判決日 | 2020-06-04 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 行政事件訴訟法8条2項1号 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 ⑴ 同性の犯罪被害者(犯給法2条2項及び3項。犯罪行為により死亡し,又 は重症病を負い若しくは障害が残った者をいう。以下同じ。)と共同生活関 係(交際している者が共同生活を営む関係をいう。以下同じ。)にあった者 が「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」(犯給法5条1項1号)に該 当し得るか否か(争点1) ⑵ 原告が本件被害者と「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」であると いえるか否か(争点2) 5 争点に関する当事者の主張の要旨 ⑴ 争点1(同性の犯罪被害者と共同生活関係にあった者が「事実上婚姻関係 と同様の事情にあった者」〔犯給法5条1項1号〕に該当し得るか否か) (原告の主張の要旨) ア 「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」の意義 犯給法は,犯罪行為により死亡した者の遺族又は重傷病を負い若しくは 障害が残った者(以下「遺族等」という。)が,民法上の不法行為に基づ く損害賠償制度の下では,加害者の資力等の関係から,必ずしも十分な被 害弁償を受けられない一方で,自動車事故等により人身被害を受けた者へ の救済方策は充実している現状に鑑み,日本社会の構成員同士での連帯共 助の精神に基づいて,遺族等の大きな経済的・精神的な苦痛を社会全体で 緩和し,遺族等が再び平穏な生活を営むことができるように支援するとい う理念に基づいている。 こうした理念を踏まえ,後記イないしエの諸点を考慮すると,同性の犯 罪被害者と共同生活関係にあった者も「事実上婚姻関係と同様の事情にあ った者」に該当し得る。 イ 同性間の共同生活関係にも内縁法理が妥当すること 犯給法に基づく救済の必要性は,法的な婚姻関係があるか否かを問わず 妥当することから,犯給法5条1項1号は,「事実上婚姻関係と同様の事 情にあった者」として,内縁関係にあった者も救済の範囲に含めている。 そして,内縁関係は,①当事者が婚姻の意思をもって共同生活を営み,② 当事者の関係が社会的に婚姻としての実態を有している場合に認められる ところ,現代においては,生殖可能性や性的関係の可能性がなくても婚姻 は無効とならないとされており,婚姻と生殖との結合関係は否定されてい るから,同性同士の場合であっても婚姻の意思を観念し得る。したがって, 同性の犯罪被害者と共同生活関係にあった者も内縁関係にあった者といえ るから,「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」に該当し得る。 更に敷衍すると,内縁法理は,単に経済的弱者を保護するための制度と 捉えられるべきものではなく,広く,種々の理由から法律上の要件を満た さないために婚姻の届出をすることができない者に対して及ぼし得るもの 間中である場合といった,時の経過によって婚姻障害事由が消滅する場面 親婚の禁止にそれぞれ抵触する場合など,公序良俗との抵触や倫理性の点 に疑義がある場合に
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。