事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成31(わ)504 |
| 判決日 | 2020-07-21 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点 本件の争点は,①被告人が被害者を不法に逮捕したといえるか(争点1),② 被害者が生きているときに,被告人が,殺意をもって,Aと共に被害者の首を ベルト様のもので絞めたといえるか(争点2)である。 第2 逮捕罪の成否(争点1) 1 認定事実 ⑴ 被告人の使用する日産ジューク(以下「被告人車両」という。)のドライブ レコーダー映像(甲31)等関係証拠によれば,被告人が,本件犯行当日の 午前5時8分頃,本件マンション北側駐車場から同マンション1階通路まで, 被害者の手首付近をつかんで引っ張ったこと,その際,被害者の両手の手首 - 1 - 付近がひも様のもので縛られていたこと,被害者が失禁していたこと,Aが 被告人と被害者の後を追随していたことが認められる。 以上の事実によれば,被告人は,Aと共に被害者を不法に逮捕したものと 認められる。 ⑵ この点について,弁護人は,被害者の手には単に何かが掛かっていただけ であった可能性があると主張する。 しかし,上記ドライブレコーダー映像を精査すると,被害者の手に単に何 かが掛かっているのではなく,両手の手首付近がひも様のもので縛られてい ることが間違いなく認められる。したがって,弁護人の主張は採用すること ができない。 2 被告人の公判供述 これに対し,被告人は,当公判廷において,被害者の両手がひも様のもので 縛られていたことに気付いていなかったと供述する。 しかし,被告人が本件マンション駐車場で降車した被害者の手首付近をつか んで引っ張ったことなどからすると,被害者の両手がひも様のもので縛られて いたことに気付かなかったというのは不自然である。被告人の上記供述は信用 することができない。 3 弁護人の主張 弁護人は,被告人が被害者に対して穏やかな口調で声掛けをしていることな どを指摘して,被害者が被告人から書類を返してもらったり,着替えをしたり する目的で自ら進んで本件マンションに来たといえ,被告人が被害者をその意 思に反して連行したとはいえないと主張する。 しかし,被害者がひそかに睡眠導入剤を飲まされた上,その両手を縛られ, 失禁した状態で,被告人に引っ張られて歩いていることなどからすると,被害 者が自ら進んで本件マンションに来たとはおよそ考えられない。被害者が特に 抵抗しなかったのであるから,被告人において被害者に対して厳しい口調で命 - 2 - 令等する必要はなく,弁護人指摘の点は,逮捕罪の成立を否定する事情にはな らない。弁護人の主張は採用することができない。 4 結論 以上によれば,被告人は,判示第1記載のとおり,Aと共に被害者を不法に 逮捕したものと認められる。
主文(判決文より)
被告人を懲役16年に処する。 未決勾留日数中350日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。