事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(わ)1104 |
| 判決日 | 2021-01-29 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点 本件の争点は,判示第1の行為時における被告人の殺意の有無である。 当裁判所は,被告人に殺意が認められると判断したので,以下,その理由を説 明する。 第2 当裁判所の判断 1 前提事実 関係証拠によれば以下の事実が認められる。 (1)被告人の用いた凶器 被告人は,凶器として,打撃面が鋼鉄製で,重量が約880グラムの石頭 鎚(以下「本件石頭鎚」という。)を用いているところ,石頭鎚は,一般的 に,土木作業を行う際に杭を打ち付けるなどの用途で用いるものである。 (2)被告人の殴打回数 被告人は,判示第1の犯行時,Aの左側頭部や顔面等を少なくとも5回殴 り付けた。 (3)Aの負傷状況 Aは,被告人による前記暴行により,左側の頭蓋骨陥没骨折,頭蓋底及び 左頬骨等に多数の骨折を負うなどし,頭蓋骨の骨折部分の一部が陥没して 頭蓋内に入り込み,脳組織を損傷していた。Aは,判示第1の犯行後直ちに 救急搬送されたが,病院に到着した際,意識レベルは深昏睡の状態で,頭部 からの多量の出血が原因となって出血性ショックを起こしていた。 2 行為の危険性について 上記の事実から,被告人は,殺傷能力の高い凶器である本件石頭鎚を用いて, Aの頭部等を目がけて,頭蓋骨が陥没骨折するなどし,多量に出血するような相 当強い力で少なくとも5回殴り付け,重傷を負わせたことが認められ,被告人の 行為は,人が死ぬ危険性が高い行為であったということができる(D医師も,仮 に救急搬送が遅れていれば,出血性ショックもしくは重度の意識障害による呼 吸停止などにより死亡していた可能性が高いと供述している)。 3 行為の危険性の認識について 被告人は,Aを殴って気絶させようと考えていたのであり,同人が死ぬかもし れないとは思わなかったと供述する。しかし,被告人は,本件石頭鎚をふだん仕 事で使っていたと述べており,本件石頭鎚の危険性は十分認識しているはずで あること,犯行当時Aの頭部等を殴り付けたおおよその回数や,同人が抵抗して いたことなどの本件犯行当時の状況を記憶していることからすると,被告人が 自身の行った行為の意味について理解していないとは考えられない。また,被告 人自身,Aを死亡させないよう手加減して殴り付けたのでもないと供述してい る。そうすると,被告人が本件石頭鎚を用いて,Aの頭部等を目がけて,頭蓋骨 が陥没骨折するなどの相当強い力で少なくとも5回殴り付けたことを認識して いたにもかかわらず,Aが自身の行為により死亡する可能性を認識できなかっ たような特別の事情はなく,行為の危険性を認識していたと認められる。したが って,これに反する被告人の主張は採用することができない。 4 結論 以上のとおり,被告人は,判示第1の行為時,人が死ぬ危険性が高い行為をそ れと分かって行ったことが認められ,被告人に
主文(判決文より)
被告人を懲役25年に処する。 未決勾留日数中170日をその刑に算入する。 名古屋地方検察庁で保管中の石頭鎚1本を没収する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。