損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号平成31(ワ)37
判決日2021-03-16
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法415条、民法709条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 使用者責任の成否
⑵ 被告自身の義務違反による不法行為責任又は債務不履行責任の成
否
⑶ 因果関係
⑷ 損害額
4 争点に関する当事者の主張
⑴ 使用者責任の成否
(原告の主張)
本件運転士は,公共交通機関として多数の旅客を運送する列車の
運転士として,本件列車のドアの開閉について,原告を含む旅客が列
車ドアに挟まれることがないように,降車する旅客の動静を注視し,
降車しようとする旅客がいる場合には,当該旅客の降車が終了し,列
車ドアを閉めても安全な状況にあることを確認した上で列車ドアを
閉める注意義務を負っていた。
本件列車前方に設置されたホームモニタ(以下「本件ホームモニタ」
という。)には,①本件列車内に取り残されている原告に気づいた4
名の乗客が本件ドア付近に集まり(14時48分41秒頃),②14
時48分51秒頃までの間,周囲に異常を訴え,③本件列車がホーム
から去った14時49分11秒頃まで,可動式ホーム柵(以下「ホー
ムゲート」という。)に手をかけて身を乗り出すなどして心配そうに
状況を注視する様子が映されていた。本件運転士は,こうした映像を
確認し,本件ドア付近で本件列車内に人が閉じ込められている等,何
らかの異常が起きていることを容易に想定できたのであるから,本
件ドア付近まで急行して状況を確認する義務があったが,これを怠
った。
本件運転士が,仮に,本件ホームモニタの映像から,上記4名の旅
客が何のために集まっているのか判断できなかったとしても,本件
運転士は,乗客が集まっている理由を確認し,安全に発車できること
を確認してから,発車する義務があったところ,これを怠った。
そして,本件運転士の上記注意義務違反は,被告の事業の執行につ
いてされたものであるから,同義務違反による損害について,被告は
使用者責任を負う。
(被告の主張)
本件運転士は,本件ホームモニタ及び後方目視により,本件列車か
ら降車する旅客が完全に途切れたことを確認し,降車が終了したと
判断して,車扉及びホームゲートを閉扉した。
また,本件ホームモニタに原告主張の上記②③の映像が映ったの
は,本件列車が動き出して,本件運転士が本件ホームモニタを確認で
きる地点を過ぎた時点であり,注意義務違反の根拠となり得ない。他
方,本件運転士は,原告主張の上記①の映像を確認することができる
状態にあったが,本件ドア付近に複数の旅客が集まっていることを
もって本件事故を予見することはできなかったから,本件運転士に,
原告主張の注意義務違反はない。
したがって,被告は使用者責任を負わない。
⑵ 被告自身の義務違反による不法行為責任又は債務不履行責任の成
否
(原告の主張)
ア 被告が負担する注意義務の内容
被告は,鉄道列車を運行するにあたり,旅客等の人身の安全確保
に最大の配慮を

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,653万9743円及びこれに対する平成2
8年12月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用はこれを100分し,その11を被告の負担とし,その余
を原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。