難民不認定処分取消等請求事件

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号令和3(行ウ)38
判決日2024-05-09
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 本件不認定処分の取消事由の有無(原告の難民該当性)
(2) 本件棄却裁決の取消事由の有無
(3) 本件義務付けの訴えの適法性
3 争点に関する当事者の主張
(1) 本件不認定処分の取消事由の有無(原告の難民該当性)(争点1)
(原告の主張)
ア 難民条約上の「迫害」とは、生命又は身体の自由に対する侵害又は抑圧
のみならず、その他の人権の重大な侵害をも含むものであり、「迫害を受け
るおそれがあるという十分に理由のある恐怖」があるというためには、当
該人が迫害を受けるおそれがあるという恐怖を抱いているという主観的事
情のほかに、通常人が当該人の立場に置かれた場合にも迫害の恐怖を抱く
ような客観的事情が存在していることが必要であるとされている。この客
観的事情は、出身国の具体的な情勢や当該人の個別事情に照らして全体的
かつ総合的に判断されるところ、出身国情報において当該人と同様の立場
にある者や当該人が属する集団全体が危害を受ける危険があるとされてい
る場合には、当該人が個別的に当該政府から標的とされているような事情
がなくても、「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖」に
該当し得る。
難民条約にいう「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員
であること又は政治的意見を理由に」とは、当該人が有する十分に理由の
なる恐怖が、出身国の情勢のもとにおいて、上記難民条約上の事由を要因
としていること又はこれらの事由と関連していることをいい、これらの事
由が迫害の唯一又は主要な原因であることは必要ない。
イ シリアの情勢等について
(ア) 兵役忌避に対し、過度に長い懲役又は体罰のような不相応なほど重い
処罰又は恣意的な処罰が科せられる場合、それらは迫害というべきであ
る。シリアでは、兵役忌避は犯罪であり、兵役忌避が政府から政治的・
反政府的な行為とみなされる可能性が高く、兵役を忌避しようとした者
に対して、刑法上の兵役忌避罪に関連する制裁を超える処罰が課される
可能性があり、それには逮捕・尋問・拘禁中の一層厳しい取扱い及び徴
兵された場合の兵役中の一層厳しい取扱いなどが含まれ、実際に、兵役
忌避者は逮捕から数日又は数週間以内に最低限の訓練しか受けないまま
前線に配備されることが多い。また、シリアにおける紛争の一つの顕著
な特徴は、様々な紛争当事者が、親族、部族、宗教・民族集団、近隣地
域全体などのより大きな集団を、そのつながりを理由にある政治的意見
を持っているとみなしているという点があり、個人が個別に把握される
ことがなくても、より大きな集団の構成員であるということ自体により、
異なる勢力から他の紛争当事者を支持しているとみなされ、標的となる
可能性がある。
(イ) シリアにおいては、2000年(平成12年)7月、バッシャールが
大統領

主文(判決文より)

1 本件訴えのうち、法務大臣が令和2年11月11日付けで原告に対して
した難民不認定処分に対する審査請求を棄却する旨の処分の取消しを求め
る部分に係る訴えを却下する。
2 名古屋出入国在留管理局長が令和2年1月6日付けで原告に対してした
難民の認定をしない処分を取り消す。
3 法務大臣は、原告に対し、出入国管理及び難民認定法61条の2第1項
の規定による難民の認定をせよ。
4 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。