事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(わ)974 |
| 判決日 | 2024-06-11 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 決定 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、被告人が当時どのような精神状 態であったか、これを前提として、被告人の責任能力の有無・程度、殺意の有無で ある。 裁判所は、責任能力について、被告人が育児等による神経症性・状況反応型の葛 藤状況(抑うつ状態)にあって心理的に追い詰められており、それが無理心中とい うべき本件犯行を決意する過程に一定の影響はしたものの、心神喪失・心神耗弱の いずれにも当たらず、完全責任能力を有していたと判断した。 また、殺意について、被告人は、子どもたちに愛情を注いできたものであり、 憎しみの感情から本件に及んだわけではないが、自らの判断で無理心中を決意 し、無抵抗の幼い3人の首をコードで絞めつけたものであり、体と意識が分離し ており自分の意思で決定したものではないなどとの弁護人の主張は採用できず、 殺意があったことは明らかと判断した。 2 認定事実 被告人の生活状況等、犯行に至る経緯、犯行状況及び犯行後の状況について、関 係証拠によれば、以下の事実が認められる。 ⑴ 生活状況等 被告人は、夫と結婚し、平成28年10月に長女を出産すると、産後うつと診 断され、平成29年3月頃から同年7月にかけて通院治療をしたが、治療後は家 族旅行ができる状態になるなど回復の様子をみせていた。 被告人は、平成30年12月に次女を、令和3年4月に三女を出産したが、い ずれも長女出産後のような精神的な不安定さをみせることはなく、家事・育児に ついて近くに住む義母による協力も得られていた。 一方、離乳食が始まった頃に次女には卵白などの食物アレルギーがあること が分かり、その頃以降、被告人は基本的に料理を手作りし、添加物を避けるよう になった。調理師免許をもち、料理に関して自負心をもっていたとみえるが、 その後も被告人は、令和3年11月頃に次女に肌荒れがみられたことから料理 や食事に関する考えが一層厳しいものとなり、ウェブ上の多数の情報を集めて はそれらを実践しようとし、更に令和4年1月末頃になると、感染症の影響で長 女の保育園が休園になり、健康に良いものを作ろうとする一方で、昼食を含む三 食の献立を考えることに難しさを感じるようになっていた。なお、この頃から2 月7日までの被告人は、献立や無添加をキーワードとするウェブ検索・閲覧を数 多くしているが、自殺関連のものは見当たらない。 ⑵ 犯行に至る経緯 令和4年2月7日、被告人は、長女に都道府県パズルのピースを見せられて所 在地を教えてやれなかったとして、自分には教養がないと声を出さずに泣き、翌 8日朝には、夫がパソコンに取り込んだ知育教材の操作方法が分からず、それに 困惑する夫の姿をみて更に落ち込むなど、一見すると些細なことにも自分を悲観 するようになり、また、この日以降の被告人は、それまでの無添加に関するもの に加え、親が無知であるとか
主文(判決文より)
被告人を懲役23年に処する。 未決勾留日数中500日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。