削除請求事件

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号令和5(ワ)3732
判決日2024-08-08
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに対する当事者の主張
⑴ 名誉権侵害を理由とする削除請求について
ア 本件記事により原告の社会的評価が低下するか(争点1)
(ア) 原告の主張
本件記事は、原告の行為が詐欺又は出資法違反に当たる可能性が高いという事実を
摘示するものであり、意見又は論評であるとしても、原告の社会的評価を低下させる
ものである。
(イ) 被告の主張
本件記事は、新聞報道を根拠としており、これが掲載された当時は、本件記事以外
にも同様の報道がされていたと考えられるから、本件記事によって原告の社会的評価
が新たに低下したとはいえない。また、本件記事は、本件会社の被疑事実等を中立的
に報道したに過ぎないから、原告の社会的評価が低下したとしても受忍すべきであっ
て、受忍限度を超えて原告の社会的評価を低下させるものとはいえない。
イ 本件記事が公正な論評に当たらないことが明白といえるか(争点2)
(ア) 原告の主張
刑事事件は、歴史に残る重大なものでなければ風化し、時間の経過により世間一般
の関心も希薄になる。原告の過去の行為が詐欺又は出資法違反に当たる可能性が高い
という事実については、本件記事の掲載から10年程度が経過していることからすれ
ば、既に本件記事を掲載し続けて公衆の批判に曝すことによる公共の利益はほぼ皆無
であって、もはや公共性は失われている。
(イ) 被告の主張
本件記事は、本件会社の行為について、「詐欺のような」、「詐欺の可能性が高い」と
いう意見又は論評を述べるものにすぎず、出資法違反についても、検察が捜査に動く
可能性があるなどと意見を述べたものにすぎないところ、前提事実⑵のとおりの出資
法違反の犯罪事実により原告が有罪判決を受けていることからすれば、上記の意見又
は論評の基礎となる事実の重要部分は真実というべきである。
そして、本件会社は、多額の資金を集めて事業を停止し、社会的に大きな影響を与
えているため、その資金調達方法が詐欺や出資法違反に該当するかどうかは一般人の
正当な関心事であるから、本件記事の内容には公共性が認められ、その投稿は、社会
に対する注意喚起を目的としたものといえるから、公益目的も認められる。本件記事
の掲載から8年程度が経過しているものの、原告の犯罪は被害額からしても重大なも
のであり、前提事実⑸のとおり、本件会社が依然として存続し、原告がその代表取締
役であることからすれば、本件記事は本件会社の信用性に係る情報を取引先や顧客等
に提供するものとして引き続き重要なものであって、本件会社が預かった出資金を出
資者に返還している途中であるとすれば、本件記事で言及された問題はいまだ解決し
ていないことになるから、その公共性が失われたとはいえない。
したがって、本件記事は公正な論評として保護されないものとはいえない。
ウ 本件記事により

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、日本向けBloggerサービスにおいて、別紙投稿記
事目録記載の投稿記事を削除せよ。
2 訴訟費用は、被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。