事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ワ)5968 |
| 判決日 | 2024-08-08 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及びこれに関する当事者の主張の要旨 ⑴ 本件懲戒解雇の有効性(争点1) (被告の主張の要旨) ア 本件行為は、電車内において被害者のスカート内を撮影するという愛知 県迷惑行為防止条例に違反する行為であり、法令に違反し、会社の信用 を傷つけ、会社に勤務する者全体の不名誉になるような行為に当たるか ら、就業規則81条1項1号及び15号に該当する。 イ 被告は、懲戒規程を定め、懲戒標準により量定を決定する。そして、被 告においては、社員の盗撮行為は、刑事事件により有罪とされた者でな くても、重大な非違行為と捉え、行為者に対して一律懲戒解雇をもって 臨んでいる。被告においては、これまでも業務外非行による信用失墜行 為の禁止を研修等で繰り返し指導してきたところ、令和2年4月1日、 懲戒解雇時における退職手当一部支給制度を創設し、同日以降発生する 盗撮、児童買春等の破廉恥事案については原則「懲戒解雇」(退職手当 一部支給)により措置することとし、この旨を社員に周知した。原告は、 令和2年4月1日からはa郵便局第四集配営業部長、令和3年4月1日 からはb郵便局郵便部課長、令和4年4月1日からはc郵便局郵便部課 長として、信用失墜行為をしないように部下を指導する立場にあった。 にもかかわらず、原告は、令和4年夏頃から、通勤の電車内で卑劣な盗 撮行為を繰り返していたのであり、これは断じて許されるものではない。 また、盗撮行為に対しては、令和5年6月16日に成立した性的な姿態 を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係 る電磁的記録の消去等に関する法律によって、全国一律に処罰すること ができるようになるとともに、法定刑も条例の刑罰より厳罰化された。 本件行為は、原告が施行日の前日に逮捕されたから条例違反になっただ けであり、被害者を著しく羞恥させ、不安を覚えさせる卑猥行為であっ て、悪質性がないとか軽微なものと評価されるようなものではない。 ウ 原告の平素の勤務成績はAないしEランク中いずれもC評価であって、 酌量減免がされるほど良好な成績とはいえないし、罪を一貫して認めて いるだけで改悛の情が顕著と評価できるものではない。また、原告の妻 が自発的に本件行為を報告したものであり、原告自身は、被告への連絡 を強く拒んでいたし、令和5年8月26日の示談の報告も同年9月14 日になってから報告しており、刑事手続の進展等を逐一かつ速やかに報 告したという事実もない。本件懲戒解雇時に新聞報道がされていないこ とをもって、会社に与える損害や影響が軽微なものとはいえない。 エ 被告は、原告から事情聴取を行い、始末書の提出を受けている。被告の 懲戒手続(乙10)には、弁明する事情があれば、その内容を具体的に 始末書に記述するよう明記されており、事情聴取や始末書を通じて
主文(判決文より)
1 原告が、被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認す る。 2 被告は、原告に対し、令和5年10月から本判決確定の日まで、毎月24 日限り39万3943円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで 年3分の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は、これを2分し、その1を被告の負担とし、その余は原告の負 担とする。 5 この判決は、第2項に限り、仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。