事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(わ)1406 |
| 判決日 | 2025-03-12 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点に対する判断) 第1 争点 被告人が判示のとおりに被害者を殺害したことは証拠上明らかであり、争点は、 被告人に犯行当時責任能力が認められるかである。 第2 検討 ⑴ 本件の責任能力の判断において問題となるのは、被告人がなぜ犯行に及んだ のか、統合失調症等の精神病によるものなのか否かである。 すなわち、本件は被告人が交際相手Aの父親を殺害した事案であるところ、被告 人は、あらかじめ購入していたゴム手袋を着用した上、就寝中の被害者を狙い、A が入浴中のタイミングを見計らって、台所から持ち出した包丁で枢要部である背部 や頸部を複数回突き刺して殺害しており、被害者に抵抗されたり、Aに発覚しない よう、状況を踏まえて合理的かつ合目的的に行動している。犯行後も、被害者の叫 び声を聞いて駆けつけたAに見つかると、その場から立ち去り、そのまま神奈川県 小田原市内の自宅まで自動車を運転しているが、これらはその意味や違法性を認識 していなければできない行動といえる。以上からすれば、犯行態様それ自体に責任 能力を疑わせる事情は見当たらない。他方、被害者はAの交際相手である被告人を - 1 - 実家に招き入れるなど事件前に両者の間で目立ったトラブルはなかった。また、被 告人は、捜査段階で動機について客観的事実と異なる事情を述べている。そこで、 被告人がなぜ犯行に及んだのか、統合失調症等の精神病によるものなのか否かが問 題となる。 ⑵ 捜査段階で被告人の精神鑑定をしたB医師は、精神障害の有無や殺意の形成 過程につき、公判廷において要旨以下のとおり述べる。すなわち、結論として、被 告人に統合失調症等の精神病はなく、本件犯行は精神病症状の影響によるものでは ない。被告人は、犯行動機について、Aが被害者と性行為をしたり覚醒剤を使って いる、被害者が被告人の両親や知人を殺害した、被害者は食事中に「ウインナーい らないだろ」などと言い自分の陰部が切断されると思ったなどと述べるが、他方で、 被告人は、確証はなかったがそのような雰囲気があったなどと述べるにすぎず、い ずれも絶対的確信でも固定化もされておらず、病的な状態から生じた真正妄想では なく、心理学的に了解できる被害妄想的な思考にとどまる。被告人は、当時の交際 相手であるAに精神的・経済的に依存していたところ、被害者から働いた方が良い と言われたり、Aから浪費を非難され、距離をおきたいなどと言われ、この頃から 被害者がAとの関係を妨害しているなどと被害妄想的に捉えるようになった。事件 の1週間前には、自分が殺人を犯すかもしれないとの予感があったかのようなメッ セージを知人に送っている。そうした中で、被害者の発言内容を誤解して自身を攻 撃してくるのではないかとも猜疑的に考え、被害者に対する恐怖や怒りが生じてい たが、確信を持っていたわけでは
主文(判決文より)
被告人を懲役20年に処する。 未決勾留日数中420日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。