脅迫、不正競争防止法違反、威力業務妨害

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号令和4(う)276
判決日2022-10-24
分類知的財産
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は、概ね上記弁護人の主張と同様の点であったのに対し、原判
決は、概要、以下のとおり説示して上記事実を認定した。
すなわち、まず、①について、YouTubeに投稿した動画等では、徹底的に
「叩き続ける」、「人生を潰す」、「しばく」など攻撃的な表現が怒気をはらんだ
口調等で執拗に繰り返されており、その中での父母への言及のなされ方にも照らす
と、その内容は、Bに対し、B自身や父母の身体、自由及び名誉が害される恐怖を
十分感じさせるものであり、現にBもそのような不安、恐怖を感じた旨述べている
ことからすれば、B及びその両親の身体、自由及び名誉に危害を加える旨告知して
脅迫したと認められる。害悪の告知の対象がBの名誉に限られない以上、違法性阻
却に関する弁護人の主張は前提を欠き、また、被告人の一連の言動等に照らせば、
恐怖心を煽るような過激な表現を執拗に用いたという方法の点で、社会的に相当な
範囲を明らかに逸脱しており、正当業務行為にあたらない。
次に、②について、A党の党首として従前からC協会の放送受信契約や受信料の
徴収等に関する問題に対し批判をする活動を行っていた被告人にとって、C協会の
集金人から受信契約者の個人情報等を取得すれば、これを基に、C協会や業務委託
先の情報管理に問題がある旨批判することが可能となり、上記活動に資するといえ、
このことは、現に③の際に本件情報の原動画を利用してC協会に要求を行っている
ことからも明らかであるから、不正の利益を得る目的があったと認められる。また、
個人情報が外部に流出すれば、C協会の社会的な評価、信用が損なわれ、その業務
に様々な支障が生ずることは明白であり、C協会に損害を加える目的も認められる。
被告人は、共犯者が正真正銘のC協会の集金人であることを証明するために必要
な範囲で撮影したというが、情報がスクロール表示されているのを至近距離で正面
から数分にわたり撮影し、情報の略語の意味等を尋ねるなどしていることからする
と、被告人の供述には無理があり、情報の内容に関心を寄せ、すすんで取得したこ
とに疑いの余地はない。
さらに、③について、被告人の行為は、C協会放送センター内外で、預かった受
信契約者の個人情報を公開・拡散する旨の発言を公然と繰り返し、期限までに連絡
がなければモザイクを外して公開する旨のタイトルを付してYouTubeに投稿
するなど、被告人自身の発言にもあるように、あたかも本件情報を「人質」として
要求を容れるよう迫る言動に出たものであり、受信契約者情報が公開・拡散された
場合、C協会の業務に重大な悪影響が出ることは明らかであり、C協会職員が対応
を余儀なくされるのであるから、被告人の行為は、人の意思を制圧するに足りる勢
力を示すものとして「威力」に該当し、これによりC協会の業務が妨害されたこと
も

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。