事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 昭和60(ワ)8672 |
| 分類 | 知的財産 / 実用新案 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
主文(判決文より)
一 原告(反訴被告)らの本訴請求及び被告(反訴原告)の反訴請求をいずれも棄 却する。 二 訴訟費用は、本訴・反訴を通じてこれを一〇分し、その一を被告(反訴原告) の負担とし、その余を原告(反訴被告)らの負担とする。 事 実 第一 当事者の求めた裁判 (本訴) 一 請求の趣旨 1 被告(反訴原告、以下「被告」という。)は、別紙目録(二)記載の柱等保護 具を製造し、販売してはならない。 2 被告は、原告(反訴被告、以下「原告」という。)らに対し、金三〇〇〇万円 及びこれに対する昭和六〇年一一月一日から支払済みに至るまで年五分の割合によ る金員を支払え。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 4 仮執行の宣言 二 請求の趣旨に対する答弁 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 (反訴) 一 請求の趣旨 1 原告らは、被告に対し、各自、金二五〇万円及びこれに対する昭和六一年一二 月一〇日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 3 仮執行の宣言 二 請求の趣旨に対する答弁 1 被告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 第二 当事者の主張 (本訴) 一 請求原因 1 原告らは、次の実用新案権(以下「本件実用新案権」といい、その考案を「本 件考案」という。)を共有している。 考案の名称 柱等保護具 出願日 昭和五一年一一月二九日(手続補正書提出の日。実願昭五六―一三一三一 八) 公開日 昭和五七年五月一四日(実開昭五七―七八三四六) 公告日 昭和五九年五月一五日(実公昭五九―一六四四三) 登録日 昭和六〇年六月一一日 登録番号 第一五九八五七〇号 実用新案登録請求の範囲 別添実用新案公報(以下「本件公報」という。)該当欄記載のとおり 2 本件考案の構成要件及び作用効果は、次のとおりである。 (一) 構成要件 (1) 板材の短手方向中央部を緩やかな曲率で湾曲する湾曲部とし、 (2) 湾曲部の両端から鋭角に屈曲して湾曲凹部側へ真直に突出する保持部を形 成し、 (3) 保持部の先端に角度をつけ、外側へ屈曲させた嵌合案内用の端縁部を形成 し、 (4) 湾曲部の背面部で鋭角部よりも中央寄りの個所に長手方向に沿つて係合用 突起を形成して成る柱等の保護具。 (二) 作用効果 (1) 保持部が湾曲凹部側へ真直へ突出した形状で、その先端に外側に開いた端 縁部を形成しているから、保護具を柱に押し付けたときには、端縁部が案内となつ て保持部は必ず外側に開いて、内側に座屈するようなことがなく、ワンタツチの操 作で容易に柱に嵌着できる。 (2) 湾曲部の背面で鋭角部よりも中央寄りの個所に突起を形成したから、この 突起を利用し、これに他の保護具の案内用端縁部の角部を引つ掛けることにより、 保護具同士を脱落しないように重ねることができ、このため柱の隣り合う二面ない し四面を被覆保護することができる。 3 被告は、昭和五七年五月一四日から同年八月三一日までの間は別紙目録(一) 記載の柱等保護具(以下「イ号物件」という。)を、同年九月一日から現在に至る までの間は別紙目録(二)記載の柱等保護具(以下「ロ号物件」という。)を、そ れぞれ業として製造し、販売してきた。 4 イ号物件及びロ号物件の構成及び作用効果は、次のとおりである。 (一) イ号物件 前記の本件考案の構成要件及び作用効果と同じ。 (二) ロ号物件 (1) 構成 本件考案の構成要件(4)の「鋭角部よりも中央寄りの個所に」とあるのを「鋭 角部に」と訂正するほかは、本件考案の構成要件と同じ。 (2) 作用効果 前記の本件考案の作用効果と同じ。 5(一)(1) イ号物件は、その構成が本件考案の構成要件をすべて充足し、作 用効果も本件考案のそれと同一であるから、本件考案の技術的範囲に属する。 (2) なお、仮に、イ号物件の保持部と湾曲部両端との角度が厳密な意味では鋭 角になつていないとしても、本件考案の構成要件(2)を充足する。すなわち、保 持部と湾曲部の角度の関係は、もともと、湾曲部の曲率は固定されたものではない から、 曲率を強くすれば保持部の角度は鋭角となり、曲率を緩やかにすれば鈍角となるも のであり、製品の出来具合あるいは保管方法によつても、その角度は影響を受け る。そして、保持部は柱に嵌合させるのが目的であるから、本来、保持部は湾曲凹 部側へ屈曲させることによつて、その目的を達するものである。したがつて、仮 に、イ号物件の右角度が鋭角でないとしても、湾曲凹部側へ鋭角に近い角度で屈曲 していれば、それによる特別の作用効果があるわけではないから、均等物というべ きである。 (二)(1) ロ号物件は、本件考案の構成要件(1)ないし(3)を充足する。 (2) 本件考案の構成要件(4)は、湾曲部の背面部で「鋭角部よりも中央寄り の箇所」に係合用突起を形成するものであるところ、ロ号物件は、突起を湾曲部の 両端近くに設けてはいるが、別紙参考図(一)から明らかなとおり、端部(以下 「角部」ともいう。)自体に設けたものではなく、やはり端部から中央寄りに設け ており、本件考案の右構成と異ならない。右突起は係合用のものであるところ、突 起の係合部(同図参照)は端部にあるのではなく、端部から中央寄りに位置してい るから、ロ号物件が本件考案の構成要件(4)を充足することは明らかである(も し、ロ号物件の係合用突起が「鋭角部よりも中央寄りの箇所」に設けられていると いえないとすれば、別紙参考図(二)のようなものも本件考案の技術的範囲に属し ないことになり、その不当性は明らかである。)。また、湾曲部の両端は、端部と いつても点ではなく、別紙参考図(三)記載のとおり約二七〇度の広がりを有して いる(「鋭角部」を九〇度とした場合)。しかるところ、ロ号物件の突起は右二七 〇度の広がりの中央(一三五度)より湾曲部中央寄りにあることは明らかであり、 この点から見てもロ号物件が本件考案の構成要件(4)を充足するものというべき である。 (3) 仮に、ロ号物件の係合用突起が湾曲部の背面部で「鋭角部よりも中央寄り の箇所」ではなく、「鋭角部」に形成されるものというべきであるとしても、ロ号 物件の右構成と本件考案の構成要件(4)とは均等である。すなわち、背面部の突 起を「鋭角部」に設けると、突起のため「鋭角部」が出つ張り、保護具同士を重ね ると更に「鋭角部」が出つ張るばかりでなく、突起の存在により「鋭角部」の剛性 が増して弾性が小さくなり、保持部の拡開幅とその嵌着力が減少するので、本件考 案では鋭角部よりも中央寄りに突起を設けたものであり、右の点を忍べば、「鋭角 部」に突起を設けてもその作用効果は同一である。 ロ号物件がこのように本件考案の構成要件(4)を採用せず、これにより劣悪な 構成を採用しているのは、被告において専ら権利侵害の責任を免れる意図に出たこ とを示すものであり、ロ号物件は本件考案の構成要件を実質上すべて充足してい る。 (4) 原告ら主張の均等の成立は、次の
出典
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