発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成21(ワ)16348
判決日2010-03-25
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点(1)(権利侵害の明白性)について
(1) 法4条1項1号が定める「侵害情報の流通によって当該開示の請求をする
者の権利が侵害されたことが明らかであるとき」とは,発信者が有するプラ
イバシー及び表現の自由の利益と被害者の権利回復を図る必要性の調和とい
う観点から権利侵害がされたことが明らかであることを必要としたものであ
るから,権利が侵害されたことに加え,違法性阻却事由の存在をうかがわせ
るような事情が存在しないことが必要であると解すべきである。
(2)ア そこで,まず,本件記事により,原告の名誉が毀損されたか否かについ
て検討するに,もとより名誉毀損とは,人の社会的評価を低下させること
をいうところ,証拠(甲5)によれば,本件記事には,原告が「性犯罪の
権威ドクターと報道するところもあるほど実績のある医師だ。」「医療行
為と称して患者女性のカラダを触り,写真も撮った。」,「逮捕される直
前にデジタルカメラ画像を消した。」「証拠隠滅するあたり,犯罪者の素
質ありとこのブログでも書いた。」「2003年頃にも,患者に執拗(し
つよう)に受診するよう誘ったり,上半身を裸にする際に女性看護師を同
席させないなどの噂が医療関係者の間で浮上。」などの各記載があるとこ
ろ,これらの各記載は,原告が患者に対して医療行為と称してわいせつ行
為を行った事実,原告がその証拠を隠滅した事実及び平成15年ころに原
告が患者を執拗に受診するように誘ったり,上半身を裸にする際に女性看
護師を同席させず,医師会から注意を受けたとの事実を摘示するものであ
り,これを閲覧する者に対して,原告が患者に対して診療行為を装ってわ
いせつな行為を行ったり,医師として不適切な行為を行ったとの印象を与
えるものであって,明らかに原告の社会的評価を低下させるものと認めら
れる。
イ なお,被告は,本件記事に記載した情報は,平成18年7月21日に主
要な新聞や新聞各社のインターネット版ニュースで知り得た情報を元に書
いたものであり,既に繰り返し報道されて社会的に広く知れ渡っていた情
報であるから,原告の社会的評価を低下させるものではないとの主張をす
るようであるが,上記前提事実(2)及び(3)のとおり,本件記事は,平成2
1年5月28日に原告に対して無罪判決がなされた後に書き込まれたもの
であり,たとえ平成18年7月21日当時に主要新聞等により同内容の情
報が報道された事実があったとしても,それから既に3年近くが経過して
おり,その内容も上記アのとおり,原告が無罪となった事実以外にもわい
せつ行為を行っていることをうかがわせる記載であることからすると,本
件記事が掲載されたことによって原告の社会的評価が低下したものという
べきである。
ウ また,本件記事の見出しと本文中には,原告がわいせつ行為について逆

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,別紙1の発信者情報目録記載の発信者情報を
開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。