不当利得金返還等請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成20(ワ)3936
判決日2010-03-26
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 本件各債券の商品特性
(2) 原告らの錯誤の成否
(3) 被告の不法行為の成否
3 争点についての当事者の主張
(1) 争点(1)について
【原告らの主張】
本件各債券は,10銘柄の参照対象株式につき各1億円を想定元本とする
ノックインプットオプションの売りポジションが設定され,これらの銘柄が
参照期間中に一度でもノックイン価格以下となり,かつ,満期償還額決定日
における価格が基礎価格未満であった場合,想定元本額に基礎価格と満期償
還額決定日における価格の下落の割合を乗じた金額の損失が生じるものであ
る。本件債券2は,本件債券1とノックイン価格(本件債券1では,発行直
前の価格である基礎価格の50%に,本件債券2では,65%に設定されて
いる。)やクーポン(金利)等の個別条件が異なるほか,早期償還条件が付
されている。本件各債券の基本部分の構造は,EB債や日経平均リンク債と
同じである。本件各債券は,「個別株のノックイン条件付のプットオプショ
ンの売り」を組み込んだ難解な仕組債であり,購入額1億円に対し10銘柄
につき想定元本各1億円・総額10億円分の株価変動リスクを背負うという
10倍ものレバレッジが効いたハイリスク商品である。すなわち,利益はク
ーポンに限定されるが,1銘柄分だけでも損失が生じれば,その下落割合が
そのまま購入額の元本毀損割合となり,複数の銘柄に損失が生じるようなこ
とがあれば,たちまち元本がゼロとなってしまうリスクに直面することとな
る。また,満期償還期限である3年先の株価など,プロの投資家であっても
全く予測できないところ,金融工学の理論の知識のない一般投資家が10銘
柄すべてについて3年後の株価を予測することなど到底不可能であり,個別
の10銘柄に賭けて差金決済となることから,本件各債券の購入は,投資と
いうより賭博である。
本件各債券は私募債であるが,私募債には市場がなく流通性がないため,
購入後不利な状況となった場合,保有を続けるか,大きな損失を甘受して被
告の言い値で買い取ってもらうしかなく,上場株式のような適正価格での適
宜の換価は不可能である。本件各債券は,被告のオリジナルの私募債であっ
て,流通性がないばかりか全く周知性がなく,一般顧客が商品内容を理解し
たり検討したりするための比較対象となる商品も出回っていない。行政当局
の審査やディスクロージャーなど全く行われておらず,商品設計が公正であ
ることの制度的保証がなく,顧客側から検討するすべもない。また,本件各
債券は,現実の株取引や市場取引と離れた「閉じた架空の世界」での株価変
動を対象としたゲームのようなものであり,社会的有用性もない。被告は,
このような賭博性の高い本件各債券を素人の投資家に対し,勧誘規制や制度
的保障もなしに大量に発行・販売して,利益

主文(判決文より)

1 原告らの主位的請求を棄却する。
2 被告は,原告会社に対し,金8537万2111円及びこれに対する平成
20年1月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は,原告Aに対し,金2882万4111円及びこれに対する平成2
0年1月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告らのその余の予備的請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,これを5分し,その1を原告らの,その余を被告の各負担と
する。
6 この判決は,第2項及び3項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。