損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成18(ワ)14041
判決日2010-04-15
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点及びこれに関する当事者の主張は,以下のとおりである。
(1) 本件運営委託の違法性1(保護者の保育所選択権の侵害,被告の裁量違
反による違法)
(原告らの主張)
ア 法の定める保育所入所に係る申込み及び承諾の仕組みからすると,法
24条は,保護者に対し,その監護する乳幼児にどの保育所で保育の実
施を受けさせるかを選択する機会を与え,市町村はその選択を可能な限
り尊重すべきものとしていると解される。また,法について平成9年に
された改正は,保護者に対して保育所の選択権を認めるために行われた
ものであった。さらに,児童が保護者の選択した特定の保育所で現に保
育の実施を受け,将来も保育期間中にわたって保育の実施を受け得ると
いう利益は,子どもに固有に保障された法的権利であるということがで
きる。これらのことからすると,保護者にはどの保育所で保育の実施を
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受けるかを選択する法的権利が認められる。そして,入所時における保
育所の選択はその後一定期間にわたる継続的な保育の実施を当然に予定
するものであるところ,市町村が入所後に転所や退所を自由に求めるこ
とができるとすれば,入所時の保育所選択は無意味なものとなるから,
保護者には,選択し入所した保育所で継続的に保育の実施を受けること
を求める法的権利も認められる。そうすると,市町村が承諾した「保育
の実施期間」中に保護者の選択に係る保育所を廃止したり,保育の運営
主体を変更したりすることは,前述の保護者の保育所選択権を侵害する
ものであるというべきである。
イ 本件運営委託によって本件保育所が廃止されたわけではないが,保育
所における保育は,一定の保育方針の下における人的又は物的な設備を
前提に行われるものであるところ,保育の質を考える上で最も重視すべ
き点は,日常,保育の実施に当たる保育士の活動であるから,物的設備
が大阪市設置のままであったとしても,実際に運営に当たる主体が他の
民間団体に変わってしまった場合には,従前の公設公営の保育所と同じ
であるとは到底いえない。そうすると,本件運営委託によって本件保育
所は実質的に廃止されたものということができる。
ウ よって,本件運営委託は,原告らが大阪市の設置し運営する本件保育
所への入所を選択したにもかかわらず,保育の実施期間中に保育の運営
主体を変更する点において,原告らの保育所選択権を侵害するもので,
違法というべきである。
エ 保育所の運営主体の変更に係る判断が一定の範囲で市町村の裁量にゆ
だねられているとしても,その判断には,目的,必要性並びに利用者の
被る不利益の内容,性質及び程度等の諸事情を総合的に考慮して合理的
なものであることが要求される。仮に,保育所を民間委託するに当たり,
保護者らの同意が得られない場合には,その利益侵害を正当化で

主文(判決文より)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。