建物収去土地明渡等請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成21(ワ)5475
判決日2010-04-26
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
本件賃貸借契約は有効に解除されたか
【原告の主張】
(1) 被告甲は,被告乙に本件建物を暴力団事務所として使用させている。暴
力団事務所は,ひとたび暴力団抗争が発生した場合には,攻撃対象とされる。
特に,近年,暴力団がけん銃による武装化を進めていることによれば,本件
建物の近隣住民等が暴力団抗争に巻き込まれ,生命,身体等に甚大な被害を
受ける危険性が高い。
(2) 原告は,本件土地が暴力団事務所の敷地として使用されることにより,
近隣の土地所有者から土地価格の下落による損害賠償を請求されたり,抗争
等の巻き添えになった被害者から損害賠償を請求されるなどの法的責任を追
及される可能性がある。
また,原告は,本件土地の周辺にも土地を所有しており,本件建物が暴力
団事務所として使用されていることにより,周辺土地についても換価価値や
利用価値が損なわれるという損害を被っている。
(3) 社会的に見ても,平成14年に,社団法人D連合会が,「企業行動憲章」
を定めて暴力団排除を宣言した後,平成19年には,政府の犯罪対策閣僚会
議幹事会が「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を公表
し,民間企業が暴力団をはじめとする反社会的勢力との関係を一切断つよう
求めるなど,暴力団排除の趨勢が高まってきている。平成20年には,暴力
団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴対法」という。)が
改正され,国及び地方公共団体において,暴力団排除活動推進に関する一般
的責務が規定されるなど,暴力団排除は社会的要請から法的要請に深化しつ
つある。
このような中,地方公共団体である原告は,本件土地上に暴力団事務所が
存在していることについて,一般社会から強い非難を受けている。
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(4) 以上のような事情に照らすならば,被告甲の本件建物使用行為は,本件
賃貸借契約上の用法遵守義務等に違反する。そして,被告甲が,原告に秘し
て,長年に渡り,本件建物を被告乙に暴力団事務所として使用させているこ
とが,本件賃貸借契約の継続を著しく困難ならしめる不信行為であることは
明らかである。
【被告らの主張】
(1) 原告の主張は,被告乙が本件建物を暴力団事務所として使用していたこ
とについて,すべて抽象的,一般的な危険性の指摘にとどまっている。被告
乙が主宰するC組は,A組に属してはいるが,わずか11人の博徒集団であ
り,対立抗争とは無縁の存在である。また,C組は,被告乙が町内会費を支
払うなど,近隣との友誼を旨としており,近隣といさかいを起したこともな
い。
(2) 被告乙が本件建物を暴力団事務所として使用し始めたのは,建築後数年
経った平成4年からであり,当初は無線愛好家の寄合所としても使用されて
いた。また,同被告は,本件建物を住居としても使用している。もとより,
被

主文(判決文より)

1 被告甲は,原告に対し,別紙物件目録記載2の建物を収去して,同目録記
載1の土地を明け渡せ。
2 被告乙は,原告に対し,別紙物件目録記載2の建物から退去して,同目録
記載1の土地を明け渡せ。
3 被告らは,原告に対し,各自平成21年4月24日から上記土地明渡済み
まで1か月8108円の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は被告らの負担とする。
5 この判決の主文第1項ないし第3項は,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。