事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(ワ)16174 |
| 判決日 | 2010-06-10 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点) (1)警察庁職員の対応に国家賠償法1条1項の違法性は認められな いこと 本件における警察庁の対応について,国家賠償法1条1項の違法性が 認められる余地はない。よって,被告は原告に対し,同条項に基づく損 害賠償責任を負うことはない。 警察署において被疑者を検挙した場合,当該被疑者に係る犯歴情報の 登録等については,おおむね別添1(犯歴登録フローチャート),別添 2(犯歴照会フローチャート)のような流れで実施される。その根拠と なる通達(乙1〜4)は,いずれも現時点のものであるが,昭和60年 10月17日(本件犯歴情報の検挙年月日)から平成13年12月(本 件犯歴情報が削除された時期)にかけても,おおむね同様の仕組みであ った。 原告は,被告が,誤りである本件犯歴情報を登録,保持し,かつ捜査 機関からの照会に対して回答し続けた点を違法と主張する。しかし,犯 歴情報の登録手続を行うのは,都道府県警察であって,警察庁ではない から,被告が本件犯歴情報を登録したことを違法とする原告の主張は, 前提を誤るものである。また,犯歴情報照会に対する回答は,原則とし て,照会があった場合,警察庁情報管理システムにおいて管理されてい る情報から自動的に引き出されるものである。そうすると,この点の違 法を問題とする原告の主張は,被告が,誤った情報である本件犯歴情報 を保持していたことの違法性を前提とするものであって,結局のところ, - 4 - 本件においては,被告が,警察庁情報管理システムに登録された本件犯 歴情報を削除することなくそのまま保持していたことが問題となる。し かし,警察庁職員は,本件犯歴情報が誤りであることを認識する立場に はない。犯歴情報の登録の場面において,警察庁は,登録された結果と しての犯歴情報自体を確認することはできても,当該犯歴情報の正誤に ついて確認することはできない。そうすると,警察庁は,本件犯歴情報 が誤りであることを認識する立場にないのであるから,これを削除すべ き義務を負うことはなく,したがって,国家賠償法1条1項の違法性が 認められる余地はない。 原告は,遅くとも平成12年9月8日の c 警察署刑事課における供述 調書において原告が本件犯歴情報の誤りを供述したことを前提に,仮に, 警察庁職員が c 警察からその旨の連絡があったにもかかわらず,その訂 正をしなかったというのであれば,そのこと自体に故意・過失が存する と主張するが,警察庁職員が c 警察署職員から上記原告の供述内容を聞 かされたとする具体的な根拠も存在しないことから,原告の上記主張は, 前提事実を欠くものであり,失当である。 犯歴情報として登録された事項を削除する体制に何らの不備もない。 原告は,c 警察からその旨の連絡がなかったとしても,前歴情報を訂正 する体制を整備せず
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,1万2000円及びこれに対する平成14 年1月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。