損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成20(ワ)14195
判決日2010-09-03
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
(1)被告の責任
ア 原告Aの技量及び本件技の習熟度等
(原告らの主張)
原告Aは,平成17年4月以前は,平行棒の技としては,A難度の「後
方抱え込み1回宙返り下り」を行っており,また,B難度の「後方抱え込
み1回宙返り下り半分ひねり」を試す程度であり,同年3月中旬ころに,
ピット(床の開口部にスポンジ等の緩衝材を詰めたもの)設備を備えたF
大学で練習を行った際にも,C難度の本件技を行ったことはなかった。
その後,原告Aは,同年4月中旬ころ,G高等学校(以下「G高校」と
いう。)において,ピットを用いた練習をした際に初めて本件技に挑戦し
たところ,1回半程度回転してピットの上に後頭部から着地する程度のこ
とができたため,その後の目標を本件技に設定し,これを練習するように
なった。
しかしながら,本件高校での平行棒の練習は週に2回程度であり,本件
高校にはピットの設備はなく,セーフティマットも不足していたため,原
告Aは,箱の上にマットを載せ,その上に着地する方法で本件技の練習を
行っており,また,縦と横に置いた箱の上に,後方を低くする形で斜めに
マットを置き,その上に背中から着地して後転する方法(背落ち後転練
習)で本件技のイメージをつかむ練習を行っていた。
以上のとおり,本件技はC難度の高度なものであるのに対し,本件事故
時における原告Aの本件技の習熟度は,練習期間は1か月程度で,本件事
故直前の試技で初めて本件技を成功させたばかりの極めて低い状況であっ
た。
さらに,原告Aは,平行棒の演技で倒立からスイングに入る際,肩が前
方に出る癖が原因で,しばしば着地で身体が前方に飛び出すことがあり,
E教諭も原告Aの上記癖を認識していた。
(被告の主張)
原告Aは,平成16年11月の大阪高校新人大会後に,平成17年5月
開催の大阪高校選手権大会兼全国・近畿大会予選会に向けて本件技を目標
に設定しており,E教諭は,本件技はC難度の下り技としてはポピュラー
なもので,原告Aが中学時代にも体操クラブに所属し,平行棒に関して優
れた技術を有しており,中でも体操の基本的な技術である「突き手」が非
常に上手であって空中で身体をより高く位置することができたことから,
本件技の習得が可能であり,安全上問題がないと判断し,これを目標とす
ることを承認した。
その後,原告Aは,本件技を6段階に分けて,週2回160分程度をそ
の練習に当てた結果,平成17年3月中旬には第5段階までをほぼマスタ
ーし,同年4月中旬ころ,G高校で練習した際にも,ピットを着地地点と
して本件技を2回成功させた。その後,原告Aは,第5段階までの練習で
の失敗がほぼ見られなくなったことから,4月中旬にピットを着地地点と
する本件技を成功させた後の早い段階から,試技をしてみることをE教諭
と話

主文(判決文より)

1 被告は,原告Aに対し,1億1781万0449円及びこれに対する平成
17年5月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告Bに対し,220万円及びこれに対する平成17年5月24
日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は,原告Cに対し,220万円及びこれに対する平成17年5月24
日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,被告に生じた費用の3分の1と原告Aに生じた費用は,これ
を各10分し,その各3を原告Aの負担とし,その余を被告の負担とし,被
告に生じたその余の費用と原告B及び原告Cに生じた費用は,これを各5分
し,その各3を原告B及び原告Cの負担とし,その余を被告の負担とする。
6 この判決は,第1項ないし第3項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。