損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成21(ワ)9065
判決日2011-07-25
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項、民法709条、民法715条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 被告Eが原告らに対して法的責任を負うか否か(争点1)
(原告らの主張)
ア 最高裁判所の判例では,国家賠償法1条1項により国又は地方公共団体
が損害賠償責任を負う場合には,公務員個人はその責任を負わないとされ
ているが,この判例は変更されるべきである。
イ ①国家賠償法1条1項は「国又は公共団体が,これを賠償する責に任ず
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る」と規定しているが,これは公務員個人が責任を負うことを否定するも
のではないし,同条2項は「公務員に故意又は重大な過失があったときは,
国又は公共団体は,その公務員に対して求償権を有する」旨規定している
が,これは国又は公共団体と公務員の内部関係を規定したものにすぎず,
被害者に対する公務員の個人責任を否定するものではない。②公務員の個
人責任を肯定したとしても,各公務員が通常の注意を払って適正に職務を
執行していれば責任を負うことはないから,公務員の職務執行を萎縮させ
ることはない。③民間企業の会社員の場合は,会社が民法715条による
使用者責任を負うからといって会社員個人の責任が免除されるわけではな
いから,上記判例は,公務員のみをあまりに優遇するもので,不公平であ
る。④特に,本件のように,加害者である公務員が十分な謝罪をしないば
かりか,被害者の遺族らの感情を逆撫でしている場合にまで,単に公務員
であるというだけで責任が一切免除されるのは,不合理である。
ウ 上記のとおり,公務員の個人責任を全面的に肯定する見解が採用される
べきであるが,これが採用されない場合でも,公務員の個人責任を制限的
に肯定する見解が採用されるべきである。すなわち,公務員個人に軽過失
がある場合には個人責任が否定されるとしても,故意又は重過失がある場
合には,個人責任が肯定されるべきである。
犯罪捜査といえども,警察官は,犯罪に無関係な市民の生命身体に十分
な配慮をしつつ行わなければならない。しかし,被告Eは,被疑車両を追
跡することに夢中になって,下記のような極めて危険な走行をしたもので
あり,本件事故は,被告Eの故意に近い重過失により生じたものである。
(ア) 約2.9kmにわたる被疑車両の追跡の中で,20か所以上の交差
点で一度も停止せず,赤信号を無視して走行した。特に,f交差点では,
赤信号を無視し,かつ,右折専用車線から直進した。
(イ) 上記追跡の中で,約100mにわたり,一方通行道路を逆走した。
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主文(判決文より)

1 被告大阪府は,原告Aに対し,1581万3606円及びうち1297万0
977円に対する平成17年11月25日から,うち4万9479円に対する
平成19年7月20日から,うち139万3150円に対する同年10月4日
から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告大阪府は,原告B及び原告Cに対し,各790万6803円及びうち各
648万5489円に対する平成17年11月25日から,うち各2万473
9円に対する平成19年7月20日から,うち各69万6575円に対する同
年10月4日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告らの被告大阪府に対するその余の請求をいずれも棄却する。
4 原告らの被告Eに対する請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,原告らに生じた費用の10分の7と,被告大阪府に生じた費用
の5分の2と,被告Eに生じた費用を原告らの負担とし,その余を被告大阪府
の負担とする。
6 この判決の第1項及び第2項は,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。