損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成22(ワ)6406
判決日2012-01-11
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法415条、民法709条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 被告の安全配慮義務違反又は注意義務違反の有無―本訴関係
(原告らの主張)
被告は,以下のとおり旅客運送契約上の安全配慮義務又は不法行為上の注
意義務を負っていたが,これらに違反した。
ア 本件ホームは,幅が狭く,列車等が高速で通過し,小学生の乗降者が多
いなどの特徴があり,危険性が高い。したがって,被告は,本件ホーム上
に駅員を配置し,駅務室の駅員に定期的に本件ホームを見回らせ,又は本
件ホーム上の監視カメラの映像を駅務室内のモニターに映し出して同室の
駅員が本件ホームの様子を確認することができるようにして,鉄道利用客
(以下「利用客」という。)が本件ホームから転落した場合は,速やかに
これを把握し,救助すべき人的体制及び物的設備を整える義務を負ってい
たが,これらをいずれも怠った。
イ 本件事故当時,全国の駅でホーム柵又はホームドアの設置が進んでおり,
国から鉄道事業者に対し,それらの設置を検討するよう指導されている状
況にあった。したがって,被告は,前記のとおり危険性が高い本件ホーム
にホーム柵又はホームドアを設置して,利用客の転落を防止すべき義務を
- 3 -
負っていたが,これを怠った。
ウ 本件事故直前にa駅に停車した下り普通列車(以下「本件下り列車」と
いう。)の運転士は,前方を注視し,a駅の上り線路上にいた亡Eを発見
して救助措置をとるべき義務を負っていたが,これを怠り,亡Eを発見せ
ず,又は発見しても救助措置をとらなかった。
(被告の主張)
ア 鉄道交通の社会的効用と危険性に照らせば,利用客は,自ら危険を避け
るべき注意義務を負い,列車に乗降する場合や混雑等でやむを得ない場合
を除き,ホーム上では白線又は点字ブロックの内側にいるべきである。し
たがって,鉄道事業者は,特段の事情がない限り,利用客が安全維持のた
めに必要な行動をとるものと信頼してよい。また,被告は,日頃から利用
客に対し,ホームの端に近付かないよう注意喚起し,利用客が線路敷に転
落等した場合に備えて,本件ホームに非常通報ボタンを8個設置し,本件
ホーム直下に転落検知装置を設置するなど,相応の事故防止策を講じてい
た。これらによれば,原告らが主張するような人的体制及び物的設備を整
える義務までを被告が負っていたとすべき根拠はない。
イ 本件事故当時,日本全国の全駅のうち,可動式ホーム柵又はホームドア
が設置されていた駅の割合は5%に満たなかった。国土交通省が設けた検
討会は,平成23年に,1日当たりの乗降者数が10万人以上の駅でホー
ムドア等による転落防止策をホームの状況等に応じて実施するよう努める
べきであるとしたが,a駅の本件事故当時の1日当たりの乗降者数は2万
人台であった。以上によれば,被告がa駅に可動式ホーム柵又はホームド
アを設置すべき義務を負っていたと

主文(判決文より)

1 原告らの本訴請求をいずれも棄却する。
2 原告Aは,被告に対し,14万4778円及びこれに対する平成21年
4月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告B,原告C及び原告Dは,被告に対し,それぞれ4万8259円及
びこれに対する平成21年4月15日から支払済みまで年5分の割合によ
る金員を支払え。
4 被告のその余の反訴請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,本訴反訴を通じて,これを200分し,その199を原告
らの負担とし,その余を被告の負担とする。
6 この判決の主文2項及び3項は,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。