事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(ワ)11487 |
| 判決日 | 2012-02-24 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法715条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張 (1) 公序良俗違反 ア 原告の主張 (ア) 本件取引は,外国為替市場に反映することを予定していない原告と被 告との相対取引であり,また,1豪ドルが74円を超える円高が継続す ると原告には最大で52億8000万円の巨額の損失が生じる可能性が ある反面,逆に円安が続くと何億円もの巨額の利益を得られるという射 幸性が非常に高い取引であるなど賭博の構成要件に該当し,公序良俗に 違反する。 (イ) 被告の従業員は,実質的には被告が本件取引の売主であり,原告との 本件取引が賭博性を有する取引で,公序良俗に反する取引であることを 知っていたか,容易に知り得たのに,原告を本件取引に勧誘し,契約を 締結させたから,本件取引は原告に対する不法行為である。 イ 被告の主張 (ア) 為替変動リスクの回避のため,為替予約を組むことは,海外取引を行 う事業会社では日常的に行われていることであって,本件取引が公序良 俗に反することはない。 (イ) 原告は,理事長らが被告従業員の説明を聞いて納得して契約書に調印 したにもかかわらず,損失が出たからといって公序良俗に反すると主張 することは許されない。 (2) 適合性原則違反 ア 原告の主張 (ア) 本件取引はオプションの売りというハイリスクなデリバティブ取引 を利用して組成した複雑かつ難解な金融商品であり,しかも,原告が被 告に売却したオプション金額は3倍に設定されており,投機性を一段と 高めている。 (イ) 原告は,学校教育という公益を目的とする学校法人であり,本件取引 のようなハイリスクで複雑かつ難解なデリバティブ商品について専門的 リスク管理能力を有する投資家ではない。 (ウ) 原告は,寄附行為により,その資産を元本割れのリスクのない安全確 実な金融商品で運用することが義務づけられている。 (エ) 被告は,日本最大規模の証券会社であり,原告と同様の学校法人とも 多数有価証券取引を行っているから,学校法人に対してハイリスクハイ リターンの金融商品を投資勧誘することは禁忌であることを知っていた。 (オ) 以上に照らせば,被告が原告に対し本件取引を勧誘したことは,適合 性の原則に違反し,原告に対し,不法行為が成立する。 イ 被告の主張 (ア) 原告は,総資産900億円,運用資産400億円の学校法人であり, 平成20年1月当時,195億円もの仕組債の運用を行っており,仕組 債の中には豪ドルや米ドルの為替と連動するものも含まれており,原告 は,為替変動について十分な知識及び経験を有していた。 (イ) 本件取引は,要は,将来の為替レートを現時点で予約するものである から,将来の為替の動向をどう見通すかだけのことであって,海外取引 を行う一般事業会社にとっては日常茶飯事のように行われていることで ある。また,本件
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,2億5319万6000円及びこれに対する平成21年 4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用はこれを5分し,その1を被告の負担とし,その余を原告の負担とす る。 4 この判決は,第1項に限り仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。