事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(わ)398 |
| 判決日 | 2012-03-16 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,被告人に殺意が認められるか否かである。 本件では,食事を与えないという不作為を含めた被告人の行為について,Bらの 生命を奪う客観的危険性の程度,その危険性に対する被告人の認識の有無及び程度 が問題となる。 当裁判所は,関係各証拠によって認められる以下の事実から,被告人には殺意が 認められると判断した。 2 関係各証拠によって認められる客観的事実 被告人は,平成22年1月に大阪に転居して,判示マンションに入居したが,入 居以来一度もゴミを出さず,ゴミをベランダやリビングに放置していた。そして, Bらを置いて外出する際には,Bらがリビングから出て水漏れ事故を起こしたりし ないよう,リビングの扉に玄関側から粘着テープを貼っていた。リビング内には, トイレも含めて水道設備はなく,冷蔵庫は置かれているものの,ほとんどいつも空 の状態であった。 被告人は,同年3月頃から,Bらをリビング内に置いたまま,外出して交際する 男性方で寝泊まりしつつ,短時間だけ自宅に帰って,Bらにコンビニで買った飲食 物を与えるという生活をするようになった。 Bらは,同年4月以降,水分摂取量,基礎代謝量が平均幼児に比して非常に少な く,かつ,栄養が極めて偏った状態で,健全な心身の発育が妨げられていたばかり か,被告人の育児放棄によって,遅くとも同年5月16日頃には,無表情となるな どの被虐待児特有の特徴が現われていた。被告人は,同日以降,徐々に帰宅しない 期間を長期化させ,数日にわたり帰宅せず,Bらを自宅リビング内に放置し,一時 帰宅の際に二,三食分の食事を置いて,また外出することを繰り返し,同年6月9 日(以下「本件当日」という。)の直近では,1週間から10日前に,二,三食分 の飲食物を置いただけであった。なお,人間が水分及び栄養を摂取しない場合の生 存可能日数は,多少の個人差はあるものの,一般的に約1週間から10日間である と考えられている。 以上のようなBらの養育状況からすると,Bらは,極めて不衛生で刺激もなく閉 ざされた空間という劣悪な生活環境の中で,慢性的な低栄養状態に置かれていたと いえ,本件当日の時点で,既にBらは相当衰弱し,生命の危険が生じていたものと 合理的に推認できる。本件当日にわずかばかりの飲食物を与えることが若干の延命 措置になったとしても,Bらが相当衰弱し,生命の危険が生じている状態を改善さ せるものとは評価できない。 そして,被告人は,本件当日,蒸しパン,おにぎり,手巻き寿司とジュースを1 人に1つずつ開封するなどして,Bらの前に置いてから,リビングの扉に玄関側か ら粘着テープを貼って閉め,玄関の鍵をかけて早々に立ち去り,平成22年7月2 9日まで自宅に戻ることはなかった。その結果,Bらは,冷蔵庫も空で,水道設備 もなく水を飲むことも食物を取ることもでき
主文(判決文より)
被告人を懲役30年に処する。 未決勾留日数中340日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。