貸金等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成23(ネ)951
判決日2012-02-07
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
次のとおり補正し,当審における控訴人の補充主張を加えるほか,原判決「事
実及び理由」中の「第2 事案の概要」欄の1,3及び4(なお,「2」は存在
しない。)に記載のとおりであるから,これを引用する。
3 原判決の補正
(1) 原判決2頁18行目の「以下「C」」という。」を「以下「C」という。」
と改める。
(2) 原判決3頁19行目の「85万円3000円」を「85万3000円」と
改める。
(3) 原判決5頁14行目及び6頁25行目の「詐害の意思」をいずれも「詐害
の意思の有無」と改める。
4 当審における控訴人の補充主張
(1) 詐害性の有無について
ア 本件会社分割の詐害性を判断するに当たっては,本件会社分割前の債権
価値(破産配当額・清算価値)と分割後の債権価値(回収見込額)を比較
しなければならない。
本件会社分割直前の旧Bの時価ベースでの配当可能財産は1億9353
万円,債務総額は35億1729万円であるから,破産配当率は5.5%
となる。仮に本件会社分割を実行せずに放置すれば,事業価値が毀損され
て倒産し,破産配当率が著しく低下したと予想される。本件会社分割は,
旧Bが債務超過で支払不能の状態であったため,倒産を回避し,事業価値
を保存する目的で実行されたものである。控訴人は,旧Bに対して資金を
提供し,旧Bは,同資金を原資として,各金融機関債権者に対し,清算価
値を保障すべく返済を継続している。
したがって,本件会社分割に詐害性はない。
イ 前記のとおり,本件会社分割直前における破産配当率は5.5%である
から,その時点における本件債権の破産配当額(清算価値)は526万2
510円である。したがって,仮に本件会社分割の結果,旧Bが所有する
に至った控訴人株式の価値がゼロであったとしても,被控訴人の被った損
害は526万2510円にすぎない。
被控訴人は,旧Bの還付消費税を差し押さえることにより,既に707
万7704円を回収しているから,本件会社分割によって被控訴人に生じ
た損害は回復されており,現時点(当審の口頭弁論終結時)において,本
件会社分割は被控訴人に対する詐害性を失っている。
(2) 詐害の意思の有無について
本件会社分割時,旧Bは,既に実質的な倒産状態にあり,長期分割弁済は
おろか,返済不能の状況に陥っていた。旧Bは,倒産を回避して,事業価値
を保存するために本件会社分割を実行したのであり,本件会社分割によって
被控訴人ら金融機関の利益は害されていない。
取締役は,会社の倒産の危機に瀕して,会社の保有する資産ないし事業を
保全する職務上の善管注意義務を会社債権者に対しても負っており,金融機
関,一般商取引業者,被用者の3種類の債権者に対する返済総額が最大限に
なると同時に債権者に対する返済が公正かつ衡平である

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 請求の減縮により,原判決主文第1項及び第2項は次のとおり変
更された。
(1) 株式会社Aを新設分割株式会社とし,控訴人を新設分割設立株
式会社とする平成21年9月1日に効力が生じた会社分割を8
831万5503円の限度で取り消す。
(2) 控訴人は,被控訴人に対し,8831万5503円及びこれに
対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合によ
る金員を支払え。
3 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。