事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ワ)731 |
| 判決日 | 2015-09-24 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 被告 明治図書出版株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 本件錦絵写真の無断複製を理由とする不法行為 (原告の主張) 被告又は被告の指示を受けた者は,上記 記載の講談社が発行した出版 物に掲載された本件錦絵写真1ないし3及び朝日新聞社が発行した出版物に 掲載された本件錦絵写真4を複写又は撮影し,原告の許可を受けずにこれら を本件教材に転載したものであり,その行為は,以下の理由から不法行為を 構成する。 ア 商慣習又は商慣習法違反を理由とする不法行為 絵画などの所有者,それら絵画などを被写体とする写真を代理貸与する 写真エージェンシー及び書籍出版社においては,絵画などを被写体とする 写真については,その使用や利用に一定の財産的価値が存することから, 従前から,①出版社などが,他者の所蔵する絵画などを被写体とする写真 を出版物などに掲載する場合には,被写体である絵画などの所有者の許諾 を得た上で,所有者又は写真エージェンシーに対価を支払うこと,②出版 社などが他者の所蔵する絵画などを被写体とする写真を,既存出版物から 別の出版物に転載する場合は,被写体である絵画などの所有者の許諾を得 た上で,所有者又は写真エージェンシーに対価を支払うことという商慣習 又は商慣習法が存在している。 そして所蔵品コレクションや写真エージェンシーは,合理的な商慣習に 従って得られる使用・利用の対価をもってその存立の基盤としているので あり,商慣習又は商慣習法に従って対価を得ることは,法律上保護される 利益であるから,商慣習又は商慣習法に違反して対価なしに無断で写真を 複写又は撮影して利用する行為は,その法律上保護される利益の侵害とな - 4 - る。 したがって,被告がした本件錦絵写真の無断利用行為は,原告の上記法 律上保護される利益を侵害するものとして不法行為を構成する。 イ 所有権侵害を理由とする不法行為 物の所有者は,その物を見せるか否か,写真撮影させるか否か,その場 合の条件・方法について決定する権利を有する。したがって,本件錦絵を 忠実に複写した写真,あるいはその写真をさらに忠実に複写撮影した写真 を公表する行為が所有者である原告の意思に反してなされる場合,その行 為は原作品である本件錦絵について有する原告の所有権(入場料の徴取や 写真撮影の許可を自由になし得る権利)を侵害するものといえる。 したがって,原告の意思に反してなされた本件錦絵写真1ないし4の本 件教材への上記掲載行為は,所有権侵害行為として不法行為を構成する。 (被告の主張) ア 原告主張の商慣習ないし商慣習法の存在は否認する。 イ 被告の行為が本件錦絵について原告の有する所有権を侵害する旨の原告 主張は否認ないし争う。美術の著作物である本件錦絵の被告による利用は, 所有者の排他的支配権能をおかすことなく,その無体物としての面の利用 をするものにすぎず所有権侵害
主文(判決文より)
原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。