事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(ワ)9099 |
| 判決日 | 2015-11-26 |
| 分類 | 知的財産 / 不正競争 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 不正競争防止法2条1項4号、不正競争防止法2条1項5号 |
| 当事者 | 原告 光成薬品株式会社/被告 株式会社ジェイシーシー |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及び争点についての当事者の主張 (1) 本件顧客名簿の営業秘密性 (原告の主張) ア 秘密管理性 原告の従業員は,コンピュータにIDとパスワードを入力してログイン し,本件顧客名簿を含む共有ファイルを閲覧等することができたが,その データをUSBメモリなどの外部記憶媒体にコピーするためには,総務課 長からいわば鍵となる別のUSBメモリを借り受け,これを使用してコピ ー制限ソフトによる制限を解除しなければならないという設定がされて いた。 また従業員は,ファイルを添付してメールを送信する場合,上司をカー ボンコピー(CC)として送信先に加えなければ,そのメールを送信でき ないという設定もされていた。 加えて,このような技術的な制約には,技術的にも業務の効率という観 点からも制限があることから,原告では,営業秘密の管理規定や誓約書等 により,従業員に対して顧客情報を含む営業秘密に関する秘密保持義務を - 3 - 課していた。 イ 非公知性・有用性 本件顧客名簿に含まれる一つ一つの顧客情報は個別に営業秘密とならな くとも,本件顧客名簿は,原告のような薬問屋が医薬品を販売する顧客と してそれを集積し取捨選択したものとして,個々の顧客情報を超え,医薬 品販売にとり独自の価値を有する情報となる。 したがって,本件顧客名簿の個々の顧客の名称,住所,連絡先(電話番 号,ファックス番号)等が公開されているとしても,集約された本件顧客 名簿は,公開されているとはいえないから,非公知であり有用性がある。 (被告らの主張) ア 秘密管理性 原告においては,本件顧客名簿を含むワードで作成した一般的な文章フ ァイルを,原告のコンピュータからUSBメモリなどの外部記憶媒体にコ ピーすることも,メールに添付して送信することもできないよう設定され ていたことは認めるが,特にこの設定が営業秘密の管理方法であったとは いえない。 原告の従業員がコンピュータを使用するためには,IDとパスワードで ログインする必要があるが,ログインした後は,共有フォルダのファイル に自由にアクセスでき,更にパスワードが必要といった制限は全くなかっ た。 イ 非公知性・有用性 本件顧客名簿は,薬局や医院などの単なる施設名称やその住所,連絡先 (電話番号,ファックス番号)といったものであり,積極的に公開され, 誰でも容易に入手・利用できるものであることからも明らかなように,そ もそも営業秘密となる情報とはいえない。 本件顧客名簿記載の顧客には,少なくとも5,6社の原告と同様の営業 - 4 - 形態の医薬品販売会社からファックスが届いているのが通常であり,顧客 は,その中から購入先を決めているのが実態である。そのような顧客情報 を営業秘密とするのは,そのような実態にも反し,不当で不平等な保護を 設定するものである。
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。