損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成26(ワ)2018
判決日2016-03-30
分類民事
判決文が挙げた条文民法719条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①本件実父部分による名誉棄損に係る被告らの共同不法
行為責任の成否(具体的には,本件実父部分が原告の名誉を棄損するか,
違法性が阻却されるか等。争点1),②本件叔父部分による名誉棄損に係
る被告らの共同不法行為責任の成否(具体的には,本件叔父部分が原告の
名誉を棄損するか,違法性が阻却されるか等。争点2),③本件実父部分
によるプライバシー侵害に係る被告らの共同不法行為責任の成否(具体的
には,本件実父部分が原告のプライバシーを侵害するか,違法性が阻却さ
れるか。争点3),④本件叔父部分によるプライバシー侵害に係る被告ら
の共同不法行為責任の成否(具体的には,本件叔父部分が原告のプライバ
シーを侵害するか,違法性が阻却されるか。争点4),⑤上記①~④の名
誉毀損・プライバシー侵害により原告が被った損害の有無及びその額(争
点5)であり,これらについての当事者の主張は以下のとおりである。
(1) 争点1(本件実父部分による名誉棄損に係る共同不法行為責任の成否)
について
(原告の主張)
ア 摘示事実が原告の名誉を棄損するものであること
暴力団の撲滅が推進されている我が国においては,暴力団と関係がある
という疑念が生じれば,その者の社会的評価は大きく損なわれるところ,
本件実父部分は,Cが暴力団組員であったという事実を摘示し,一般の読
者に対し,原告が暴力団と関係を有しているという印象や,原告がその血
筋から反社会的・反道徳的な性格を受け継いでいるという印象を与えて原
告の社会的評価を大きく損なうものであるから,原告の名誉を棄損するも
のである。
なお,暴力団との関係を断つことは非常に難しいものであると一般に理
解されているから,本件記事に原告が母子家庭で育ったこと等が記載され
ていても,本件記事を読んだ一般の読者は,原告が現在も暴力団と関係を
有していると理解することは明らかである。
イ 違法性が阻却されないこと等
(ア) 摘示事実が公共の利害に関する事実に当たらないこと
原告は,幼い頃にCと生き別れており,Cから何らの影響も受けずに
育っており,Cのことをほとんど記憶していないから,Cが暴力団組員
であったという事実は,単に生物学上の父親が反社会勢力の一員であっ
たという以上の意味はなく,原告の政治家としての能力・資質とは何ら
関連性がないものであるから,公共の利害に関する事実に当たらない(暴
力団組員であった者と血縁関係があることは,上記のとおり政治家の能
力等と何ら関連性がないから,これを有権者に提供されるべき事実であ
るとする被告らの主張は失当である。)。
そもそも,原告の人物像を理解するという目的は,原告とCとの関係
性を摘示する理由にはなり得ても,Cが暴力団組員であったという事実
を摘示する理由にはなり得ないものである。
(イ) 公益

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は,原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。