道路交通法違反,危険運転致死被告事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成28(わ)3484
判決日2017-01-24
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法338条4号

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点
本件の争点は,保護処分と刑事処分のいずれが相当かである。当裁判所は,
保護処分が相当と判断したため,以下理由を説明する。
2 判断
公訴事実第2の犯行は,自動車運転経験の全くない被告人が,自身の運転技
能の未熟さを認識し,運転を中止することが可能であったにもかかわらず,自
動車を運転してみたいという身勝手かつ安易な動機で運転を継続したことによ
り発生したものであり,危険かつ悪質である。前記犯行により,何ら落ち度の
ない被害者の生命が奪われ,取り返しのつかない重大な結果が発生している。
遺族の処罰感情が厳しいのも当然である。加えて,被告人は,過去に2度の保
護処分を受け,本件当時も保護観察中であったことや,友人に嘘をついて自動
車を調達した上,犯行後も救護措置を講じることなく逃走し,更には自身の責
任を免れるための働きかけを行っていることなど,犯行前後の情状も悪いこと
に照らせば,被告人の責任を軽視することは到底できない。
他方で,自動車を運転してみたいという目的自体は反社会的なものではない。
また,被告人は,交通法規を軽視し無免許運転をしていたとはいえ,人を殺傷
するなどの悪意はなく,自動車の進行を制御しようと試みていたものの,運転
中に冷静な判断・操作ができなくなった結果,人身事故を起こし,本件犯行に
至ったものといえる。このような事情からすれば,本件犯行は,悪質なもので
あるとはいえるものの,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件
(少年法20条2項本文)の中では,反社会性が強いとは評価できない。
以上の諸事情に加え,被告人は本件犯行当時16歳5か月と低年齢であるこ
と,動機の安易さや犯行前後の行動も被告人の低年齢ゆえの未熟さの表れとも
いえること,被告人が本件以前に受けた保護処分は,交通犯罪とは異なる犯罪
による児童自立支援施設送致及び保護観察であったこと,引き起こした結果の
重大性を自分なりに認識し,遺族に対し不十分ながらも謝罪の気持ちを述べて
いること,本件では,一般国民から選任された裁判員を含む合議体が本件を家
裁に移送する決定をしたのに対し,再度の逆送決定がなされた手続経過があり,
被告人の負った手続的負担は既に過大になっていることをも併せて考えれば,
本件は,保護処分が許される特段の事情が存在し,保護許容性が肯定できる。
そして,保護処分により被告人の更生が期待でき,保護可能性があることは
明らかである。
そうすると,本件は,保護処分が相当な事件であると認められる。なお,本
件の悪質性,結果の重大性や被告人の性格,資質,環境上の問題点が根深いこ
と等からすれば,被告人が1年間以上身体拘束を受けたことを考慮しても,相
当長期間(仮退院まで4年間程度)の矯正教育を施す旨の処遇勧告を付した保
護処分が妥当であると考える。
なお,

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。