意匠権侵害差止請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成28(ワ)7185
判決日2017-05-18
分類知的財産 / 意匠
判決種別判決
判決文が挙げた条文意匠法37条1項
当事者原告 株式会社誠文社/被告 株式会社アーテック

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点についての当事者の主張
本件における争点は,本件意匠と被告意匠とが類似するか否かである。
(1) 原告の主張
ア 本件意匠
本件意匠は,添付公報の図面において実線で表された図面からなる,植木鉢本体
に形成された給水用のペットボトル保持部の形状に関する部分意匠である。本件意
匠の基本的構成態様及び具体的構成態様は,別紙「本件意匠の形状」の「原告主張」
欄記載のとおりである(別紙「本件意匠の構成態様説明図(原告)」参照)。
なお,被告が指摘する本件意匠の【参考斜視図】と【B-B断面図】の差異は,
本件意匠の意匠公報を全体としてみたときに,誤記であることが明らかであるから,
本件意匠の特定に影響を与えるものではない。
イ 被告意匠
被告意匠の基本的構成態様及び具体的構成態様は,別紙「被告意匠の形状」の「原
告主張」欄記載のとおりである(別紙「被告意匠の構成態様説明図(原告)」参照)。
ウ 本件意匠と被告意匠との類否
(ア) 登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は,需要者の視
覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものであるところ,その判断に当たって
は,意匠に係る物品の性質,用途,使用態様,さらには公知意匠にない新規な創作
部分の存否等を参酌して,需要者の注意が惹き付けられる部分を要部として把握し
た上で,両意匠が要部において構成態様を共通にするか否かを中心に観察し,全体
として美感を共通にするか否かを判断すべきであるとされている。
本件意匠に係る物品及び被告製品は,いずれも学童向けの植木鉢であり,その主
たる需要者は,学童及び学童が所属する小学校等の初等教育機関の教員である。し
たがって,本件意匠と被告意匠の類否判断においては,学童及び初等教育機関の教
員の視覚を基準とすべきである。また,本件意匠に係る物品及び被告製品はいずれ
も植木鉢であり,その主たる用途,使用態様の特徴は,植木鉢に給水するために,
ペットボトルの飲み口を下側にしてペットボトルを倒立状態で挿入し,これを保持
する点にあることから,本件意匠と被告意匠の類否を判断する上でも,このような
用途,使用態様を参酌する必要がある。
(イ) 本件意匠の要部
本件意匠は,その用途,使用態様から,基本的に上方から見下ろされることとな
る。
また,本件意匠に係る植木鉢は,本件意匠登録以前の公知意匠が本件意匠と全く
異なるデザインであり,多少近い実用新案(乙4)であっても,着脱可能な容器ホ
ールダーがデザインされているものであるから,従前の植木鉢と大きく異なる特徴
は,植木鉢にペットボトル挿入部が一体となって設けられた点にある。
そうすると,その需要者である学童及び初等教育機関の教員は,本件意匠に係る
植木鉢を見る際,植木鉢の上方に従前の植木鉢と比較して新しく設置されたペット
ボトル挿入部に

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。