品種登録調査等の義務付け請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成29(行ウ)61
判決日2017-10-26
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 本件調査及び本件審査の処分性
(原告の主張)
ア 義務付けの訴えにいう「処分」が,行政庁の行為全てを意味するものではなく,
公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって直接国民の権
利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうこ
とは争わない。
イ 本件調査及び本件審査は,登録品種の特性が保持されているか否かの調査や品
種登録の取消しを行うか否かに関する審査にすぎないわけではない。
本件調査ないし本件審査それ自体が国民の権利義務に対して直接何らかの影響を
及ぼさないわけではなく,他種を親と偽った登録品種の場合でも,育成者権は品種登
録の日から25年間(種苗法19条2項),登録品種等を業として利用する権利を専
有する(種苗法20条 1ないし3項)とされる。常緑性が公然と知られていた植物(タ
ケシマキリンソウ)を使用した者が種苗法違反として中傷され,タケシマキリンソウ
を使用していた関係者が逮捕,起訴されている異常な状況であり,本件登録品種の調
査及び審査が行われることは,国民の権利義務に対して直接何らかの影響を及ぼすも
のである。この本件調査及び本件審査は,原告のみならず,屋上緑化を営む多くの関
係者に直接大きな影響を及ぼすから,処分性があるというべきである。
(被告の主張)
ア 義務付けの訴えにおいて,義務付けを求める行政庁の「処分」とは,行政庁の
行為全てを意味するものではなく,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のう
ち,その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法
律上認められているものをいう。
イ 原告が義務付けを求めている本件調査及び本件審査は,登録品種の特性が保持
されているか否かの調査や品種登録の取消しを行うか否かに関する審査であるにす
ぎず,本件調査ないし本件審査それ自体が国民の権利義務に対して直接何らかの影響
を及ぼすものではないから,本件調査又は本件審査によって,直接国民の権利義務を
形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものといえないことは
明らかであり,本件調査及び本件審査には,いずれも処分性が認められない。
(2) 原告に本件調査及び本件審査がされないことにより「重大な損害が生ずるおそ
れ」(行訴法37条の2第 1項)があるか。
(原告の主張)
ア 原告は,常緑性のタケシマキリンソウの栽培及び同種を使用した屋上緑化の施
工を個人で行っているが,本件登録品種の育成者権者グループは自身のウエブの中で,
常緑性のキリンソウは本件登録品種のみであり,本件登録品種以外の常緑性のキリン
ソウは種苗法違反に問われ,元請にも責任が及び,屋上緑化の納入品の撤去が命じら
れる場合がある等と主張し,そのため常緑性のキリンソウの市場が独占されており

主文(判決文より)

1 本件訴えをいずれも却下する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。