事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ワ)1532 |
| 判決日 | 2017-11-27 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張 (1) 原告Aに対する名誉毀損の有無 (原告らの主張) ア 記載内容に人物の実名等が示されていない場合であっても,当該人物の属性等 について一定の知識や情報を有している者らが当該記載を読めば,当該記載に示され た人物の属性等を総合することによって当該人物を特定することが可能であるとき は,その者らから対象を特定の上不特定多数の第三者に伝播する可能性があれば,名 誉毀損における対象の特定としては十分である。 イ しかるところ,本件記事は,原告Aの実名の記載はないものの,以下の記載を 含んでいる。すなわち, (ア) 「Dは23年4月18日に…土地を購入した」との,土地取引が行われた年 月日等を特定した記載 (イ) この土地取引について「当時の理事長」がEの取材に対して回答した内容の 記載 (ウ) 「Dの内部関係者が法人に損害を加えた疑い」との記載 ウ したがって,上記土地取引当時,原告AがDの理事を務めていたという属性を 知る者のほか,当時Dと取引をしたことがある者やDが運営する老人ホームの職員, 利用者などは,上記「当時の理事長」が原告Aであることを容易に把握でき,これら の者から第三者にそのことが伝播される可能性も十分にあった。したがって,本件記 事において,原告Aは名誉毀損の対象者として特定できる。 エ その上で,本件記事は,別紙4記載の内容を含んでいる。そうすると,一般読 者の普通の注意と読み方を基準とした場合,本件記事は,原告Aが,Dにおいて違法 は又は不当な土地取引を行い,Dに4700万円もの損失を発生させたとの印象を与 えるものであって,原告Aの社会的評価を低下させることが明らかである。 オ 以上の次第で,本件記事は,原告Aの名誉毀損にわたるものということができ る。 (被告らの主張) ア 匿名記事の対象者が特定できるか否かは,一般読者の普通の注意と読み方を基 準として考えるべきであり,ここでいう「一般読者」とは,報道の自由の実質的保障 の見地に照らし,とりわけEのように全国に約400万人の読者がいると推定される 新聞については,対象とされている人物と親族関係,友人関係,雇用関係,取引関係 などの人的関係,金銭的利害関係のある者を除外した不特定多数の公衆と解すべきで ある。 イ しかるところ,本件記事には原告Aの実名は記載されておらず,本件土地取引 を主導し実行したのがDの当時の理事長であるとの記載もない。そのほか,別紙4記 載の本件記事の内容を原告らと人的関係及び金銭的利害関係を有しない一般読者の 普通の注意と読み方を基準に解釈すると,対象者として原告Aが特定できるとはいえ ない。したがって,本件記事は,原告Aの社会的評価を低下させない。 (2) 原告会社に対する名誉毀損の有無 (原告会社の主張) ア 原告会社は原告Aが代表
主文(判決文より)
1 被告らは,原告Aに対し,連帯して,55万円及びこれに対する平成28年1 月4日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 2 原告Aのその余の請求及び原告会社の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,原告Aに生じた費用の全部と被告らに生じた費用のうちの5分の 4との合計を16分し,その15を原告Aの,その余を被告らの負担とし,そ の余の費用は全部原告会社の負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。