事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(わ)4190 |
| 判決日 | 2018-05-09 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法144条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点 1 本件公訴事実の要旨は,被告人が,勝馬投票券(以下「馬券」という。)の 払戻金による一時所得を除外した虚偽の所得税等の確定申告(過少申告)をし, 平成24年分及び平成26年分の所得税額合計6200万円余りをほ脱したと いうものであり,公訴事実自体に争いはない。 2 弁護人の主張(公訴権濫用,可罰的違法性の不存在,違法収集証拠の排除) しによる所得は極めて偶発性が高く,今後同種所得を得 る見込みがほとんどないことから,単純にほ脱所得額のみをもって可罰性を判 断すべきではないこと, 馬券の払戻金については,ほとんど所得税の捕捉が なされておらず,課税もほとんどされていないのが実情であり,国も有効な対 策をとらないまま放置しており,稀に所得が発覚した者に対して刑事罰まで科 すことについては不公平な結果を招くこと, は実質的に二重課税であるし,そもそも馬券の払戻金に対する課税制度が流動 的な状況である中で刑事罰を科すことは著しく不当である 馬券の払戻 金のほ脱額を見れば,本件より高額な事案もあるにもかかわらず,それらでは 公判請求されていないことなど,他の同種事例との著しい不均衡が存在するこ と 被告人の脱税が発覚した経緯につき,査察官の査察調査の際にいわゆる 横目調査あるいは悉皆調査といった,プライバシー等を侵害する重大な違法調 査がなされた可能性が否定できないことなどの事情に鑑みれば,本件の公訴提 起は著しく公平性を欠き,正義に反するものであるため,公訴権濫用として公 訴が棄却されるか,あるいは可罰的違法性が認められず無罪である(以下「主 張①」という。)。 また, 重大な違法性のある調査に基づいて被告人の所得が 捕捉された疑いが濃厚であり,このような調査に基づく証拠を許容することは - 2 - 将来における違法捜査(調査)抑制の見地から相当でないものと認められ,得 られた証拠(銀行口座に基づく証拠等)は違法収集証拠として排除されるべき である(以下「主張②」という。)。 3 2に対する検察官の主張 ほ脱所得額,ほ脱税額,被告人の認識等に照らせば,本件は公訴権濫用には 当たらず,可罰的違法性も十分存在する。また,本件とは別の犯則事件につい て金融機関調査を行った際に,本件に係る日本中央競馬会(以下「JRA」と いう。)から被告人名義の預金口座への極めて高額の振込入金事実を把握した ことを端緒として本件の調査が開始されたものであり,別件の調査目的達成の ために必要な範囲内で金融機関調査を行ったもので,違法な調査は行っていな い。 第2 当裁判所の判断 1 まず,弁護人の主張①②に共通する事情である本件調査の過程に違法がなか ったかについて検討することとする。 2⑴ 本件発覚の端緒は,A銀行B支店(以下「本件支店」という。)の被告人 名義の普通預金口座
主文(判決文より)
被告人を懲役6月及び罰金1200万円に処する。 その罰金を完納することができないときは,金5万円を1日に換算した期 間被告人を労役場に留置する。 この裁判確定の日から2年間その懲役刑の執行を猶予する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。