事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ワ)2688 |
| 判決日 | 2018-06-14 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法100条1項 |
| 当事者 | 原告 田中電子工業株式会社/被告 日鉄住金マイクロメタル株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 技術的範囲の属否(争点1) (2) 無効理由の存否(争点2) ア 乙6発明を主引例とする新規性欠如の有無(争点2-1) イ 進歩性欠如の有無(争点2-2) (ア) 乙6発明を主引例とするもの(争点2-2-1) (イ) 乙13発明を主引例とするもの(争点2-2-2) (ウ) 乙7発明を主引例とするもの(争点2-2-3) (エ) 乙12発明を主引例とするもの(争点2-2-4) ウ サポート要件違反及び実施可能要件違反の有無(争点2-3) (3) 原告の損害額(争点3) 4 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1(技術的範囲の属否)について (原告の主張) ア 総論 被告各製品の構成は,被告各製品の分析結果(被告製品1については,甲7ない し9,29ないし31。被告製品2については,甲60ないし62)によれば,別 紙「被告各製品構成目録(原告主張)」(被告製品1については,「被告製品1(甲7 ~9)」欄及び「被告製品1(甲29~31)」欄,被告製品2については,「被告製品2」 欄)記載のとおりであるから,本件各発明の構成要件を全て充足する。 イ 各論 (ア) 「金(Au)の表皮層」(構成要件1C,2C〔6B,7B,9B〕) の充足性 a 意義 (a) 特許請求の範囲の記載は,各層に他の金属を意図的に含有させる 場合とそうではない場合とが書き分けられているにすぎず,各層に別の層の金属が 混入する場合を排除していない。金属と金属を互いに密着させた状態で熱処理をす ると,互いに相手の金属の中に拡散混入していくことは技術常識である(甲11, 38)から,本件明細書にも記載されたこうした方法(本件明細書【0025】等) によって形成されるボールボンディングワイヤの「金(Au)の表皮層」には,金 のみから構成される層だけでなく,金と中間層の金属であるパラジウムから構成さ れる層も含まれる。したがって,「金(Au)の表皮層」は,金を主要元素として 構成される層であれば足りる。 (b) 本件明細書には,「表皮層が厚くなれば,溶融するのに時間がか かり,銅(Cu)の融解を促進する効果が薄れる」(同【0019】)と,各層を構 成する金属の厚さによって各層の溶融順序が変動することについての記載がある。 数十nmの金属薄膜の融点が当該金属固有の融点より降下すること(以下,この現 象を「融点降下」ということがある。)は技術常識であり(甲86資料1及び2並 びに同資料3〔甲74〕),このことは金とパラジウムの合金の薄膜にも当てはまる (甲86)。したがって,「金(Au)の表皮層」にパラジウムが約2%(原子%, 以下同じ)以上混入することも許容される。 被告が,本件各発明が各層を構成する金属の融点の違いによって生じる溶融順序 に着目したものであることの根拠とする本件明細書の記載
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。