事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(わ)5349 |
| 判決日 | 2018-06-15 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 は,欺罔行為の有無,被告人の故意及び共謀の有無である。検察官は,公訴事 実記載の欺罔行為が認められ,被告人の故意に欠けるところはなく,共謀も成 立すると主張する。弁護人は,被告人が公訴事実記載の欺罔文言を述べた事実 はなく,また,被告人は,共犯者から実際に工事を行うものと聞かされてこれ を信じていたので,詐欺の故意が無く,従って共謀も成立しないと主張する。 2 そこで,まず,欺罔行為の有無について検討する。本件詐欺の被害者である Jの供述調書並びにJが欺罔された場に同席していた証人I及び証人Sの当公 判廷における各証言によれば,犯罪事実欄記載のとおり欺罔行為が認められ, それによれば,もっぱら被告人から,本件各工事の資金が末寺からの寄付金で あるなどと聞いたことが認められる。 被害者であるJの供述調書の内容は,当公判廷において弁護人による反対尋 問を経ていないものではあるものの,証人Iや証人Sの各証言の内容と相互に 符合している上,末寺からの寄付金が原資になるという点については,被害者 であるJの立場からしてそのように信じたことは自然で合理的であり,また, JらがB寺を訪れた際に,多額の寄付金で建てられた旨の立て札を見せられた ことをその根拠の一つとして挙げているところ,実際にそのような立て札が存 在すること(甲67)にも支えられており,その信用性は十分に認められる。 これに対し,被告人は,本件各工事の資金について,EがT教団4代目教祖 になった暁に同教団の資金から出す旨説明したものであって,末寺からの寄付 金で行うとの説明はしていないし,JらがB寺を訪れた際に立て札に案内した こともないなどと供述している。確かに,実際に被告人らは,別の会社に対し, 本件各工事をT教団の資金で行う旨説明したことがあったことからすると,被 告人がJらに対しても,同様の話をした可能性は否定できない。しかし,虚偽 の事実を告げて貸し付けを受けようとする者としては,資金繰りについて複数 の虚偽の話をすることも考えられ,実際に,Sの証言によれば,本件の資金に 関連して,Eの養母の外国銀行における資産の話なども聞き,支払能力につい て信頼したというのであるから,資金繰りについて複数の話をしていたとして も特段不自然であるとまでは言えない。そうすると,被告人の供述によっても, 被害者の供述の信用性が否定されるという関係にはないし,Jらが,B寺の立 て札に関する説明を受けていないのに,そのような話を作る理由も考え難いこ とからすると,被告人の供述が,Jらの供述や証言の信用性を否定するものと は言えない。 以上のことからすると,犯罪事実欄記載のとおりの欺罔行為が認められる。 なお,平成29年2月14日付け起訴状記載の公訴事実には,Jに対する一 連の欺罔文言について,「E及び被告人が自ら
主文(判決文より)
被告人を懲役4年10月に処する。 未決勾留日数中300日をその刑に算入する。 本件公訴事実中平成28年6月15日付け起訴状記載の詐欺の点 (平成29年11月8日付け訴因変更請求書による訴因変更後のも の)については,被告人は無罪。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。