保護責任者遺棄,同致死(予備的訴因重過失致死),死体遺棄被告事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成29(わ)714
判決日2018-07-18
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法21条、刑法45条、刑法54条1項、刑法60条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点等
弁護人は,判示第1の行為に関し,①A及びB(以下「Aら」という。)を自動
車内に置き去りにし,そのまま放置しても,Aらの生命等にある程度具体的な危険
は生じず,保護責任者遺棄罪,同致死罪の遺棄,不保護に該当しない,②被告人に
は,上記置き去り等によってAらの生命等にある程度具体的な危険が生じるとの認
識がなく,遺棄,不保護の故意がないから,被告人には保護責任者遺棄罪,同致死
罪が成立しないと主張する。
これに対し,当裁判所は,判示第1の行為につき被告人には保護責任者遺棄罪,
同致死罪の共同正犯が成立すると判断したので,以下,その理由を補足して説明す
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る。
2 Aらを置き去りにして放置した行為が遺棄及び不保護に当たるか否かについ
て(争点①)
被告人らは,本件当日午前1時44分頃,Aらを自動車内に置き去りにし,その後
同日午後0時9分頃まで10時間以上にわたり放置したところ,その間,日射等によ
り車内温度が上昇した結果,Bが重度の熱中症により死亡し,Aも,被告人らが自
動車に戻った時,Cが頭から水をかけるほど汗をかくなどしており,程度はともか
く熱中症を発症していたと認められることからすると,上記の置き去り及び放置行
為によってAらには重度の熱中症を発症し死亡する危険が生じていたことは明らか
である。
また,Aらの年齢に照らすと,10時間以上にわたりAらを二人きりで車内に放置
することによって,Aらには,被告人らが車内に置いたドーナツやその包装袋等の
異物をそれぞれ喉に詰まらせたり口に入れたりすることなどによる生命に対する危
険も生じていたものと認められる(この危険性はD供述をまつまでもなく認められ
る。)。
よって,Aらには,重度の熱中症,飲食物の誤嚥及び異物の誤飲等によりその生
命等にある程度具体的な危険が生じていたと認められるから,本件の置き去り及び
放置行為は,保護責任者遺棄罪,同致死罪の遺棄及び不保護に当たる。
3 被告人に遺棄及び不保護の故意が認められるか否かについて(争点②)
被告人らは,本件以前にも複数回,Aらを自動車内に置き去りにしてホテルに宿
泊し,昼前後まで10時間以上にわたり放置したことがあるから,本件当日も,被告
人は,Cとホテルに行くためAらを置き去りにする際,ホテルを出て自動車に戻っ
てくるのが10時間以上後の昼前後になり得ることも当然に想定していたと認められ
る(この点,被告人は,本件当日はもっと早くAらのもとに戻れると思っていた旨
供述するが,そのように考えた具体的根拠を示していない。)。
そこで,これを前提に,まず被告人における熱中症の危険の認識について検討す
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ると,本件の直前期は日によって約20ないし25度まで気温が上がることがあり,被
告人も本件前日などには日中半袖Tシャツを着て過ごすなど

主文(判決文より)

被告人を懲役5年に処する。
未決勾留日数中270日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。