損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成28(ワ)9729
判決日2019-01-08
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 警察官による本件刑事事件にかかる捜査の違法性(争点1)
(2) 本件各公訴提起の違法性(争点2)
(3) 本件公判検事らによる公訴維持及び勾留継続の違法性(争点3)
(4) 本件担当裁判所による判決行為の違法性(争点4)
(5) 本件交付拒否行為の違法性(争点5)
(6) 原告らに生じた損害の有無及びその額(争点6)
4 争点に対する当事者の主張
(1) 争点1(警察官による本件刑事事件にかかる捜査の違法性)について
(原告らの主張)
本件刑事事件にかかる捜査は,以下のとおり,司法警察職員に認められる
合理的裁量を逸脱したものであり,国家賠償法上違法である。
なお,警察官によるかかる違法行為は,後に主張するP1検事,本件公判
検事ら及び本件担当裁判所の各行為と共同不法行為となる。
ア 一般的に年少者は,家族や捜査官に誘導されやすく,取調べを行う際に
は,専門家を関与させること,事情聴取を早い時期に行ったうえで繰り返
さず,聴取時には自由供述させること,ビデオによる記録を行ったうえで
後に鑑定すること等の配慮が必要不可欠である。警察官が,そのような配
慮をしないまま,年少者の虚偽供述を証拠化した場合には,原則として重
大な過失により職務上の義務を怠ったと推定すべきである。
本件刑事事件にかかる捜査が行われた当時,A子らは年少者であったか
ら,K1巡査部長がA子らの取調べを行うに当たっては,同人らの供述を
誘導することがないよう専門家を関与させる等の配慮をし,虚偽供述を証
拠化しないようにすべき職務上の義務があった。それにもかかわらず,K
1巡査部長は,専門家を取調べに関与させる等の配慮をしないまま,A子
らの虚偽供述を録取した供述調書を作成したのであるから,重大な過失に
より職務上の義務を怠ったというべきである。
イ 本件刑事事件にかかる捜査が行われていた平成20年8月29日には,
本件カルテがすでに作成されていたものであるところ,当該カルテには,
「処女膜は破れていない」との記載があり,A子が強姦被害にあっていな
かったことを示す重要な証拠であるといえる。したがって,警察は,当該
カルテを消極証拠として収集すべき職務上の義務があったところ,故意又
は過失によって本件カルテの収集を怠った。
(被告大阪府の主張)
ア 警察官が本件カルテを証拠として収集していないことは認め,その余は
否認ないし争う。
イ 警察官が年少者を取り調べるに当たって,専門家を関与させることが義
務付けられているわけではない。また,本件刑事事件を担当したK1巡査
部長が,本件強制わいせつ事件についてA子らを取り調べるにあたり,年
少者の取調べに必要な配慮を欠いたことはない。まして,関連証拠と整合
するようにA子らの供述を誘導したことはなく,A子らが虚偽の供述をす
るに至ったの

主文(判決文より)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。