危険運転致死傷,道路交通法違反

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成30(わ)1766
判決日2019-03-06
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法21条、刑法45条、刑法47条、刑法54条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
1 判示第2の事実について,弁護人は,本件当時,被告人はパニックに陥り,運
転操作を誤って事故を起こしたのであり,てんかんの発作によって意識喪失の状
態に陥っていたのではなく,過失運転致死傷罪が成立するにとどまると主張する。
当裁判所は,本件当時,被告人がてんかんの発作によって意識喪失の状態に陥っ
ていたことが合理的な疑いを容れる余地なく認められると判断したので,以下そ
の理由を説明する。
2 まず,関係証拠によれば,被告人が運転していたホイールローダー(以下「本
件車両」という。)は,本件事故のあった交差点において,先頭を西方向に向け
て停止していたが,午後3時53分34秒頃,前進し始めたこと,この時,本件
車両の対面信号機は赤色を表示していたこと,その頃,被害者らは,本件交差点
の南西側歩道の角に立っていたこと,上記のとおり前進を開始した本件車両は,
南西方向,つまり,上記歩道の方向に進み,上記歩道に立っていた被害者らと衝
突し(同42秒頃),被害者らを踏み越え(同43秒頃),その後,一度ブレー
キランプが点灯し(同44秒頃),一旦停止したものの(同46秒頃),再発進
し(同47秒頃),その後再び停止したこと(同49秒頃),本件車両が発進し
てから被害者と衝突するまでに約7.6秒を要していること,被害者と衝突する
直前の本件車両の速度は時速約12.9キロメートルであったことがそれぞれ認
められる。
また,本件車両を使用して行われた走行実験の結果(甲48,49)によれば,
本件車両を停止状態からアクセルを踏み込んで加速させた場合,時速12.9キ
ロメートルに達するまでに5.16秒から6.21秒を要したこと,本件車両の
最高速度に近い時速約13.4キロメートルから時速約13.8キロメートルの
状態から,アクセルもブレーキも踏まないで進行させると,エンジンブレーキに
よって減速され,4.12秒から4.29秒で停止したことが認められる。本件
車両の速度鑑定を行ったF証人は,停止していた本件車両が時速12.9キロメ
ートルに達するためには,少なくとも5.16秒間アクセルを踏み続けなければ
ならず,更にそこから最初のブレーキランプ点灯までの時間も加算すると,強弱
は不明であるものの,アクセルペダルが約10.8秒間踏まれていたことになる
と証言しており,この数値の算出過程は合理的なものであると認められる。
以上の事実からすれば,本件車両は,対面信号機が赤色を表示しているにもか
かわらず,また,被害者らが立っている歩道の方向に進んでいるにもかかわらず,
加速しながら同歩道に進入し,被害者らと衝突し,被害者らを踏み越えた後,よ
うやく制動が開始されたのであり,前進開始から制動開始までの約10秒間にわ
たって,アクセルペダルが踏まれ続けていたことになる。

主文(判決文より)

被告人を懲役7年に処する。
未決勾留日数中40日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。