消費者契約法12条に基づく差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成28(ワ)10395
分類民事
判決文が挙げた条文民法541条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は以下のとおりである。
(1) 本件被告解除権付与条項が消費者契約法に違反するか
ア 本件被告解除権付与条項の解釈(争点1)
イ 消費者契約法10条前段該当性(争点2)
ウ 消費者契約法10条後段該当性(争点3)
(2) 本件異議不存在確認条項が消費者契約法に違反するか
ア 本件異議不存在確認条項の解釈(争点4)
イ 消費者契約法8条1項3号該当性(争点5)
ウ 消費者契約法10条前段該当性(争点6)
エ 消費者契約法10条後段該当性(争点7)
(3) 本件契約14条1項及び同条4項が消費者契約法に違反するか
ア 本件契約14条1項及び同条4項の解釈(争点8)
イ 同条項のうち,原契約賃借人の連帯保証人に対する部分についての消費
者契約法10条前段該当性(争点9)
ウ 同条項のうち,原契約賃借人に対する部分についての消費者契約法10
条後段該当性(争点10,なお,同部分が消費者契約法10条前段に該当
することについては,当事者間に争いがない。)
エ 同条項のうち,原契約賃借人の連帯保証人に対する部分についての消費
者契約法10条後段該当性(争点11)
(4) 本件契約18条2項2号が消費者契約法に違反するか
ア 本件契約18条2項2号の解釈(争点12)
イ 消費者契約法8条1項3号該当性(争点13)
ウ 消費者契約法10条前段該当性(争点14)
エ 消費者契約法10条後段該当性(争点15)
3 争点に対する当事者の主張
(1) 争点1(本件被告解除権付与条項の解釈)について
(原告の主張)
本件被告解除権付与条項は,賃貸人が通常有する解除権について,受託保
証人となった被告にもこれを付与するというものである。
本件被告解除権付与条項は,無催告解除を許容している点で,民法541
条と比べ,解除権の行使をするための要件が緩やかになっている。下記(被
告の主張)のように,本件被告解除権付与条項について,原契約賃借人に有
利となるような要件が加重されているものと読むことはできない。
(被告の主張)
本件被告解除権付与条項が,原契約の解除権を,原契約賃借人の受託保証
人となる被告に付与していることは認める。
しかし,本件被告解除権付与条項については,信頼関係破壊に関する従前
の判例法理に基づき解釈すべきである。すなわち,不動産賃貸借では,賃借
人保護と社会経済上の要請から,債務不履行の程度・態様が軽微である場合
は,信頼関係の破壊がないものとして,適法な催告をしても有効な解除とは
扱わないし,また,無催告解除特約が存する場合も,原契約賃借人に催告を
しなくてもあながち不合理とは認められない事情が存する場合にのみ有効な
ものとして扱われる(最高裁昭和43年11月21日第一小法廷判決・民集
22巻12号2741頁参照,以下,同判決を「最高裁昭和43年判決」と
いう。)

主文(判決文より)

1 被告は,住宅等の賃貸借契約の賃借人(以下「原契約賃借人」という。)そ
の他消費者を相手方として,上記賃貸借契約(以下「原契約」という。)から
生ずる賃貸人(以下「原契約賃貸人」という。)に対する賃料等債務につき保
証を受託することを含む「住み替えかんたんシステム保証契約」(以下「本件
契約」という。)を締結するに際し,別紙1契約条項目録記載の18条2項2
号のような,原契約賃借人が賃料等の支払を2箇月以上怠り,被告において合
理的な手段を尽くしても原契約賃借人本人と連絡がとれない状況の下,電気・
ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から原契約の目的たる賃借物件(以下
「賃借物件」という。)を相当期間利用していないものと認められ,かつ,賃
借物件を再び占有使用しない原契約賃借人の意思が客観的に看取できる事情が
存するときに,原契約賃借人が明示的に異議を述べない限り,賃借物件の明渡
しがあったものとみなす権限を被告に付与する条項を含む消費者契約の申込み
または承諾の意思表示をしてはならない。
2 被告は,前項に係る条項が記載された契約書ひな形が印刷された契約書用紙
を廃棄せよ。
3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用はこれを5分し,その1を被告の負担とし,その余を原告の負担と
する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。