公職選挙法違反

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和1(わ)2059
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法45条、刑法60条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①Aへの金銭供与は選挙運動者に対する違法な買収行為に当た
るか,②①が違法な買収行為に当たるとした場合に,Aに対する金銭供与につい
て被告人に買収の故意があったといえるか,③被告人とAとの間で,判示第2の
Bに対する買収についての共謀や故意が認められるかである。
2 ①について
⑴ まず,選挙運動とは,特定の公職の選挙につき,特定の立候補者又は立候補
予定者のため投票を得又は得させる目的をもって,直接又は間接に必要かつ有
利な周旋,勧誘その他諸般の行為をすることをいう。本件で,Aは,平成31
年4月7日施行の大阪市議会議員選挙に際し,a 区選挙区から立候補する被告
人のための投票を得させる目的で,前記選挙の選挙運動期間の各日,被告人の
選挙運動用自動車上における車上運動員を欠員することなく計4名手配し,車
上運転員を前記自動車に乗車させて同選挙区の選挙人に投票を呼び掛けさせて
おり,これらは,選挙につき直接又は間接に必要かつ有利な周旋,勧誘その他
諸般の行為をすることであって選挙運動に当たる。
そして,被告人は,これらの選挙運動を行ったAに対し,対価として3万6
000円を供与したのであるから,これが買収に当たることは明らかである。
⑵ 弁護人は,Aが選挙コンサルタント業者であり,選挙運動者ではなく,適法
に報酬を支払うことができる旨主張するが,そもそも被告人の供述するコンサ
ルティング契約をしたとの内容は,Aの供述中に現れない。被告人の供述する
内容も,契約内容や対価等が定まっていなかったという極めて不合理なもので,
信用できない。弁護人の主張はその前提を欠く。なお,弁護人の主張に鑑み更
に検討しても,Aが選挙コンサルタントを名乗っていたことがあるからといっ
てその活動が選挙運動でなくなるはずもない。弁護人が弁論で指摘する「選挙
時報」においても,車上運動員等の派遣に対する報酬支払に問題がないのは,
人材派遣会社が選挙運動者に該当しないことが前提である。弁護人の主張は採
用できない。対価を求める選挙コンサルタント業者が多数いたと弁護人が指摘
する点は,前記判断にいささかも影響を与えない。
3 ②について
⑴ 本件では,平成30年10月頃,被告人が,Aに対し,翌年施行の大阪市議
会議員選挙の選挙運動期間中における車上運動員派遣をBに要請した際の報酬
額を聴取するよう依頼し,これに対する応答としてAから,同年11月5日に
「ウグイス代金 1日@21,000×4人×9日間」などと現にその上限額
(1人1日につき1万5000円)を上回る趣旨及び代金の一部についてのみ
領収書が発行される趣旨の記載がある見積書が被告人に送信された。また,選
挙運動期間中に,見積書と同金額,同趣旨の合計請求書等が作成され,被告人
はその記載内容を確認してAに対し75万60

主文(判決文より)

被告人を懲役1年に処する。
この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。