事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ワ)5301 |
| 判決日 | 2020-01-28 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) 手術Ⅱにおいて太い穿刺針を用いて過剰な回数の穿刺をした過失 (2) 手術Ⅱの術中及び術後において感染症対策を懈怠した過失 (3) 手術ⅡにおいてⅡ児の頭部を穿刺した過失 (4) 手術Ⅰの手法選択及び手術Ⅱの実施時期の選択に関する過失 (5) 手術Ⅱの前の転医義務違反 (6) 救胎する胎児数及び胎児の選択に関する説明義務違反 (7) 因果関係 (8) 損害額 4 争点に関する当事者の主張 (1) 手術Ⅱにおいて太い穿刺針を用いて過剰な回数の穿刺をした過失につい て (原告らの主張) 手術Ⅱにおいて被告医師は約20回の穿刺を16ゲージの太い針を用いて 経腹的に実施したとしているが,原告A1の腹部には約30箇所の穿刺痕が 確認された(甲A7)。その穿刺態様や穿刺回数は何ら医学的な文献に基づか ない態様である。 穿刺回数を少なくするのは,羊水漏出,感染症,腟炎及び性器不正出血等 を防止するためであり,多胎妊娠の母胎ではこれらの症状に罹患しやすいと ころ,穿刺回数増加によりその可能性がより高まる。 そのため,これらの症状に陥りやすい状態にあったことに配慮した穿刺針 の太さや穿刺回数でなければならない。すなわち,被告医師には,手術Ⅱの 際,複数回の穿刺による羊水漏出,感染症,腟炎及び性器不正出血等を防止 するため,胎児への穿刺を,細い針を用いて1胎につき原則1回,多くとも 3回以内の穿刺回数に止める義務があった。また,多胎妊娠では厳格な母体 及び胎児の管理が求められることや,経腟的減胎手術後で感染徴候に陥りや すい状態にあったことに配慮した穿刺回数に止めるべき義務があった。 しかるに,被告医師は,約30回もの穿刺を行った点で過失がある。 (被告の主張) ア 減胎手術の際の穿刺を3回以内で成功させることは,日常的に減胎手術 を行っているごく一部の習熟した医師のみが1回目に減胎を試みた胎児と そうでない胎児を識別する必要のない場合にのみできることである。穿刺 回数について医療水準はない。 手術Ⅱにおいては,手術Ⅰにおいて減胎を試みた胎児を見極めて施行す る必要があり,通常の減胎手術に比べて相当に難度が増す。 イ 被告医師は,最少の穿刺回数にすべく努力をした結果,3回を超える穿 刺を行ったものの,30回には及んでいない。 (2) 手術Ⅱの術中及び術後において感染症対策を懈怠した過失について (原告らの主張) ア 原告A1は多胎妊娠であることから,単胎に比べて,早産と低出生体重 児,流産や死産といった種々の合併症罹患の危険性が高く,ハイリスク妊 婦となるため,母体及び胎児の管理が重要である(甲B6)。 イ 6月22日の手術Ⅱを受けた日を境に,CRP値が通常値の約10倍に なり,その後,約4~8倍で推移し,被告医院で入院中も低下せず,炎症 反応が継続し,不正性器出血
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。