損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号平成30(ワ)3637
判決日2020-03-27
分類民事

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
(1) 原告と A が相互に全財産を死因贈与するとの合意をしたか(争点
1)
(原告の主張)
原告と A は,昭和46年頃から長年,同性パートナーとして同居し,同一
の家計を営んでいたところ,互いに高齢となり,がんに罹患するなどしたことか
ら,余生の過ごし方ついて話合いを持つようになり,遅くとも平成28年1月1
7日までに,従来どおり原告と A の財産を共有して生活すること,原告と A
のどちらかが先に死亡した場合には,死亡した者の全財産を生存している相手方
に全て譲渡するとの相互の死因贈与を口頭で合意した。
なお,原告と A は,医療に関する同意を可能とし,相続に関し紛争が起き
ないよう同年3月には養子縁組をする予定をしていたのであり,上記死因贈与の
合意をしていたことは明らかである。
(被告の主張)
A は,生前,姪の G らに対し,遺産は全て被告に相続させると述べてい
たのであり,同発言と矛盾する原告への死因贈与の合意をしたことはない。
原告は,平成27年当時,自らが希望する A との養子縁組について A に
話しておらず, A は原告との養子縁組の意思を否定していたし, A の死
後に被告代理人らと協議する中では, A の遺産は相続人が相続すればよいな
どと述べ,自らの遺産取得の要望は述べておらず,死因贈与についても言及して
いなかった。これらの事実は,原告主張の死因贈与合意がないことを示すもので
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ある。
(2) A の葬儀等に関する被告の原告への対応が不法行為を構成するか
(争点2)
(原告の主張)
ア 死者の近親者は,死者に対して,敬愛追慕の念を抱き,死者を懇ろに
弔い,偲びたいという宗教的感情を有しており,この感情を実現する機会を奪う
行為は,近親者の死者に対する敬愛追慕の念を侵害し,精神的苦痛を与える行為
であり,社会通念上許容できない行為として不法行為に該当する。そして,この
ことは,死者と長年にわたって共に生活していた同性パートナーの場合も同様で
ある。
イ 被告は, A の生前から,原告と A が同性パートナーシップ関
係にあり,夫婦と同視すべき関係であることを認識していたにもかかわらず,①
a 警察署の遺体安置室に安置されていた A の遺体と面会したいとの原告
の申出を拒否し,② A の葬儀の喪主を務めたいとの原告の申出も拒否した上,
③原告が近親者として A の葬儀に参列することを認めず一般参列者として参
列させ,④原告に火葬場の場所を教えず, A の火葬に立ち会う機会を与えな
かった。被告の上記各行為は,原告が A を同性パートナーとして見送る機会
を奪うものであり,原告の A に対する敬愛追慕の念を侵害する違法な行為で
ある。
ウ 被告は A 死亡後の原告との交渉過程において,原告と

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。