所得税法違反

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和2(わ)947
判決日2020-09-14
分類民事
判決文が挙げた条文所得税法238条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点等
被告人は,平成22年頃から個人で輸入するなどした音響機器等をインターネ
ットオークションサイトで販売する事業を営み,平成23年頃から不動産賃貸業
を営んで,それらの事業により収益を上げていたにもかかわらず,事業開始か
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ら一貫して確定申告をせず,別表記載の各法定納期限までに被告人が確定申告
書を提出しなかったことについては前掲各証拠から容易に認められる。検察官
は,被告人が,①居住実態がない住所に住民登録をしたこと,②他人名義の銀
行口座から仕入代金を海外の仕入先に送金したこと,③他人名義を含む多数の
オークションサイトIDを使用して販売取引をしたこと,④自己の所得を「0
円」であるなどと記載した市・県民税申告書を提出したことが,上記の各不申
告に関する所得秘匿工作に当たると主張する。
これに対し,弁護人は,被告人が上記①から④までの各行為を行ったことは
事実であるが,これらの行為は,所得税をほ脱する意図によるものではなく,
税務当局の調査を困難にさせるものでもないから,いずれも所得税法238条1項
の「偽りその他不正の行為」の前提となる所得秘匿工作には当たらず,被告人
には同条3項違反の罪が成立するにとどまり,平成26年分の所得税ほ脱につい
ては公訴時効期間経過後の起訴であるから免訴の判決を言い渡すべきである旨
主張する。
当裁判所は,上記①の行為のみ,所得秘匿工作に当たる,すなわち,被告人
が,ほ脱の意図をもって,所得税の賦課徴収を困難ならしめるような何らかの
偽計その他の工作を行ったものといえると判断したものであるが,以下,上記
②から④までの行為がこれに当たらないとした点を含め,その理由を説明する。
第2 当裁判所の判断
1 ①居住実態がない住所への住民登録について
(1) 税の賦課徴収を困難ならしめる行為といえるか
ア 前掲関係各証拠によれば,次の事実が認められる。すなわち,被告人は,
平成22年7月頃から,京都市l区内のマンション(以下「l住所」という。)
に居住し,平成24年6月頃から大阪市x区内に,平成26年5月頃から大阪
市a区bc丁目d番e号所在のfg号室(以下「被告人方」という。)に居
住する一方,住民登録は,平成26年1月に不動産取得税の軽減のため一時
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的に京都府舞鶴市内に登録したほかは,l住所に登録していたところ,平
成26年9月18日頃にl税務署が税務調査の事前通知を行った直後の同月24
日,l住所から,母親らの住む実家で被告人の居住実態のない兵庫県三田
市mn丁目o番p号(以下「三田住所」という。)に,転出日を同月12日と
遡らせた転出届を提出して住民登録をした。被告人は,その後も平成30年
3月30日まで被告人方に居住する一方,住民登録については,平成27年5
月に不動産取得税を軽減するため

主文(判決文より)

被告人を懲役1年及び罰金800万円に処する。
その罰金を完納することができないときは,金4万円を1日に換算した期
間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から4年間その懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。