事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ヨ)386 |
| 判決日 | 2021-03-17 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点 (1) 被保全権利の有無(人格権侵害の具体的危険の有無)(争点1) (2) 保全の必要性(争点2) 4 争点に対する当事者の主張 (1) 争点1(被保全権利の有無。人格権侵害の具体的危険性の有無) (債権者らの主張) ア 原子力発電所は,ひとたび事故を起こすと放射性物質が放出され,広範 囲にわたり,永続的かつ不可逆的に甚大な被害を招く。そのため,原子力 発電所の安全性確保においては,深層防護という考え方が確立されている。 深層防護とは,多数の連続し,かつ,独立した防護レベルの組合せによ り,人あるいは環境に対する有害な影響が引き起こされることを防止する ものである。原子力発電所の安全確保においては,5層により構成されて いるところ,第5の防護レベルとして,事故状態に起因する放射性物質の 放出による放射線影響を緩和することを目的として,実効性のある避難計 画が求められる。 深層防護の考え方によれば,第1ないし第4の防護レベルが機能しない 場合を想定して第5の防護レベルをたてることになるから,第5層の避難 が安全にできないということになれば,そのことのみをもって,債権者ら の人格権侵害の具体的危険があり,原子力発電所は止めなければならない。 こうした深層防護の思想は,確立した国際的な基準であるところ,原子 力基本法は安全確保につき確立された国際的な基準を踏まえるべきことを 定め,原子力規制委員会設置法も,確立された国際的な基準を踏まえるこ とを原子力規制委員会の職務として定めている。さらに,核原料物質,核 燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「原子炉等規制法」という。) は,原子力施設において重大な事故が生じた場合に放射性物質が異常な水 準で当該原子力施設を設置する工場又は事業所の外へ放出されることその 他の核原料物質,核燃料物質及び原子炉による災害を防止することを目的 に明記しており(同法1条),発電用原子炉施設の位置,構造及び設備が核 原料物質若しくは核燃料物質によって汚染された物又は発電用原子炉によ る災害の防止上支障がないものであることを設置許可の要件としているこ と,改廃されていない立地審査指針では,原子炉施設の位置に関し公衆の 避難などの適切な措置が講じ得る環境にある地帯であることが求められて おり,第5層の防護レベルを規制対象にしていること等からすれば,原子 炉等規制法は,第5層までの原子力災害防止手段を原子力事業者の法的義 務として求めているというべきである。これらの法規制に鑑みれば,
主文(判決文より)
1 本件申立てを却下する。 2 申立費用は債権者らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。