事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和1(ワ)5059 |
| 判決日 | 2021-05-13 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 当事者 | 被告 三菱電機株式会社 |
この事件の代理人
- 大野聖二(被告代理人)/第一東京弁護士会
争点(判決文より)
争点 (1) 原告の発明者性(争点1) (2) 損害の発生及びその額(争点2) 4 当事者の主張 〔原告の主張〕 (1) 原告の発明者性(争点1) ア 原告の発明者性につき,被告は,原告が発明者でないことの主張立証責任を - 3 - 負う。 イ 原告は,平成21年7月からビル用エアコン室外機向けファン及び偏平管熱 交換器の開発に従事することとなり,当初,ファンをメインとしていたが,平成2 1年秋頃から,偏平管熱交換器の開発会議に出席していた。 ビル用エアコンの省エネ向上のためには冷媒配管を円管から偏平管に代えると効 果的であることは周知の事実であったが,ビル用エアコン室外機は曲げ部を有し, 曲げ加工の際に偏平管は従来の円管に比べて2倍の力を要するため,フィンの座屈 強度も2倍にする必要がある。その強度が不足する場合,曲げ加工の際にフィンが 倒れ,風の風路を塞ぎ,熱交換器性能が大きく低下する。このため,当初のフィン 形状(後記図1。以下,この形状のフィンを「当初フィン」と,この形状を「当初 フィン形状」という。)では座屈強度を2倍以上大きくする必要があるという課題 があった。 平成22年春頃,原告は,被告工場の製造部門から早期にフィン形状を決めるよ うに催促されていたところ,同年6月24日,上記課題につき,座屈強度低下の原 因は当初フィン形状の3本のスリットのうち1番上(風上側)のスリット(以下, この位置にあるスリットを「風上側のスリット」という。)にあり,これをなくす ことにより座屈強度の向上を図ることができることを着想した。そこで,原告は, 同日,P2に対し,強度最大のフラットフィン(3本のスリットを全てなくしたフ ィン形状のもの。以下「フラットフィン」といい,この形状を「フラットフィン形 状」という。)の強度計算をP7にしてもらうように指示し,その後,風上側のス リットをなくした形状のフィン(後記図2。以下「2本スリットフィン」といい, この形状を「2本スリットフィン形状」という。)の座屈強度計算もP7にしても らうように指示した。その結果,2本スリットフィンの座屈強度は,当初フィンの 2.5倍で,フラットフィンとほぼ同一であった。もっとも,P2は,2本スリッ トでは伝熱性能が低下するとして,スリット3本を風下側に押し込めることを提案 し,原告はこれを承諾した。その後,原告及びP2による試験を経て,同年7月下 - 4 - 旬頃,本件発明が完成した(そのフィン形状は後記図3のとおり。以下,このフィ ンを「3本スリットフィン」といい,この形状を「3本スリットフィン形状」とい う。)。 図1(当初フィン) 図2(2本スリットフィン) 図3(3本スリットフィン) (なお,上記各図はいずれも模式図であり,各長さ,大きさ,位置関係及びその 比率等について正確なもの
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。