著作権侵害差止等請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和2(ワ)9992
判決日2021-06-24
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、著作権法2条2項、著作権法112条1項
当事者原告 株式会社タイタン・アート/被告 株式会社光和商事

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 本件原画の著作物性(争点1)
(2) 被告製品の複製該当性(争点2)
(3) 損害の発生及び損害額(争点3)
4 当事者の主張
(1) 本件原画の著作物性(争点1)
(原告の主張)
ア 応用美術の著作物性
本件原画のような応用美術は,「美術工芸品」の範疇に入るものに限定して著作
権法で保護されるのではなく,純粋美術としての性質をも有する場合には,意匠法
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等と重畳的に美術の著作物として著作権法による保護の対象となり得る。応用美術
が純粋美術としての性質をも有するかどうかは,応用美術を著作権法上保護するこ
とがあり得るという著作権法の趣旨を踏まえ,その物を客観的,外形的に見て創作
性の有無を判断すべきであって,高度な美術性や芸術性の要素を要求することは,
応用美術が著作権法上保護される範囲が極めて限られたものとなり,妥当でない。
イ 本件原画の著作物性
本件原画は,本体の色を黒色としつつも長針,短針及び秒針を白色として,本体
と針にコントラストを付ける(以下,この形態を「本件形態1」という。)ことに
よって,色彩をもって視認性とデザイン性を付与している。また,時計の周囲と内
側を円で囲みながらも9時から12時までは周囲を囲まないというデザインを採用
すると共に,フォントの大きさと中心部の円との大きさを調整する(以下,この形
態を「本件形態2」という。)ことによって,そのデザイン性を強化している。
このような本件原画は,応用美術を著作権法上保護することがあり得るという著
作権法の趣旨を踏まえて客観的,外形的に創作性を判断すれば,創作性があるとい
える。
したがって,本件原画は美術の著作物に当たる。
(被告の主張)
ア 応用美術の著作物性
著作権法上保護される「美術の著作物」における「美術」とは,原則として専ら
鑑賞の対象となる純粋美術のみをいい,応用美術でありながら「美術の著作物」と
して保護されるものは「美術工芸品」(著作権法2条2項)に限られる。ここにい
う美術工芸品とは,実用性はあるものの,その実用面及び機能面を離れて,それ自
体として完結した美術作品として専ら美的鑑賞の対象となるものをいう。
これに対し,原告は,応用美術が純粋美術と同程度の創作性を備えていれば著作
物として保護されると主張する。しかし,本件原画のような工業製品の意匠は,本
来は意匠法によって保護されるべきものである。意匠権を得る要件を備えない工業
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製品のデザインが著作権において広く保護されると解することは意匠法の趣旨を没
却する。また,仮に,応用美術に対して著作権法を広く適用した場合,日常生活中
に無数の著作物が溢れることになり,それらを利用した表現や報道が著しく制約さ
れる,著作権及び著作者人格権の保護期間は意匠権に比して著しく長いため,応用
美術の

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。