強盗致死

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和4(わ)1249
判決日2022-10-31
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法181条1項、刑法21条、刑法60条、刑法66条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、少年である被告人に刑事処分を科すべきか、少年法上の保護処
分に付すために事件を家庭裁判所に移送すべきかである。
2 被告人らは、被害者が逃走するや、比較的短時間とはいえ、全く反撃をしてい
ない被害者に対し、特殊警棒や催涙スプレーを使用して3人がかりで代わる代わ
る執ような暴行を加えたばかりか、ナイフでも被害者を1回突き刺しており、危
険で悪質な犯行方法である。事前に役割分担を明確に決めていないなど、周到に
計画された強盗とはいい難い面があるものの、被告人らは、違法薬物の密売人で
あれば金品を強奪しても被害申告されないことを見越して密売人を強盗の標的に
し、買主が女性1人であるかのように装って密売人である被害者を呼び出した上、
被害者が1人であることを事前に確認し、人気のない場所に誘い出して本件犯行
に及んでおり、強盗の犯行自体には一定の計画性が認められる。被害者は犯罪に
巻き込まれる危険のある違法薬物の密売に関与していたとはいえ、生命を奪われ
るいわれはなく、被害者が死亡したという結果は極めて重大である。最愛の息子
を本件のような形で若くして失った両親の悲しみは筆舌に尽くし難く、処罰感情
が厳しいことも十分に理解できる。財産上の被害額も軽視できない。
被告人の個別の事情をみるに、強盗を計画提案し、言葉巧みに被害者を誘い出
したのは主に成人の共犯者らであり、被告人自身は、本件の少し前に知り合うな
どした共犯者らとの間で、その場の流れで犯行に参加したもので、強盗に関して、
被告人は従属的な立場であった面があるといえる。しかしながら、被告人は、自
ら強盗への参加を選択し、分け前を均等に分け合っている上、犯行の際にも、被
害者に催涙スプレーを複数回吹きかけただけでなく、当初から刺すつもりだった
とまでは認められないものの、自ら持ち出したナイフで被害者を突き刺して死亡
させ、死因となる暴行を行っているのであって、本件強盗致死の実行や結果発生
において重要な役割を果たしたといえる。
他方で、被告人は、幼少期から実母に暴力を振るわれ、施設で生活するなどし
て愛情を十分に受けられなかった成育歴を有し、本件犯行に軽率に参加した経緯
には、このような成育歴に由来する若者としての思考の幼稚さ、暴力への親和性
が影響していることが窺われる。もっとも、これまでに上記の問題を改善する機
会が被告人に全くなかったとはいえず、その年齢等にも照らせば、成育歴の影響
をさほど重視することはできない。
また、被告人は刺した行為を含めて本件犯行を認めた上、手紙を書くことなど
を通じて被告人なりに反省を深めようとし、罪を償う旨を素直に述べていること
や、幼少期から関わりのあった被告人の叔母が被告人の社会復帰後の指導監督を
約束していることなどは相応に評価すべきである。
3 前記2の事情

主文(判決文より)

被告人を懲役9年以上15年以下に処する。
未決勾留日数中120日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。