強盗殺人、死体遺棄、建造物侵入、窃盗未遂

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和4(わ)1231
判決日2023-02-03
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
1 公訴事実のうち、強盗殺人以外の事件(建造物侵入、窃盗未遂、死体遺棄)に
ついては争いがない。強盗殺人事件は、建物2階に単身居住する被告人が、同建
物1階の弁当店従業員であったベトナム人女性を自室に誘い入れ、所持金を渡し
て欲しい旨を述べたところ、被害者が大声を上げたため、被害者の背後から首を
腕で絞め付けて圧迫して死なせ、その後現金を財布から抜き取ったという事案で
あり、争点は、被告人が、金品強取の目的で、殺意を持って被害者の首を絞め付
けたかである。
2 まず、被告人が被害者を自室に誘い入れた目的について検討する。弁護人は、
被害者から単にお金を借りる目的であったと主張するものの、証拠上認められる
事実からすれば、被告人が、金品を強取する目的で被害者を自室に誘い入れたこ
とが認められる。
すなわち、被告人は、犯行前日の段階で所持金が100円未満とお金に困って
いたところ、犯行当日の朝、被害者が弁当店に出勤した直後、弁当店の勝手口か
ら店内の被害者に声を掛け、マスター(弁当店の経営者)に言われているから貴
重品(財布やバッグ等取られてはいけない物)を持って2階に上がってくれなど
と嘘を言って被害者を自室に誘い入れている。また、弁当店内の防犯カメラ映像
では、被告人が、貴重品を持ってくるよう被害者に念押ししている様子や、被害
者をせかしている様子も認められる。これらの点から、被告人は、被害者から金
品を強取する目的で自室に誘い入れたと考えるのが自然である。面識のない被害
者(弁当店従業員の外国人女性)に嘘を言って自室に誘い入れてもお金を貸して
もらえるはずがなく、被告人もそのようなことは当然認識できたはずであるから、
被告人が単にお金を借りる目的で被害者を自室に誘い入れたとは考え難い。さら
に、前記防犯カメラ映像の音声などから、被害者が弁当店を出てから被告人が犯
行に及ぶまでの時間は2分強であったと認められる。被告人が、被害者を自室に
誘い入れて短時間で犯行に及んでいることも、被告人にお金を貸してもらうつも
りなどなかったことを推認させる。
被告人は、捜査段階で、被害者を自室に誘い入れた後、被害者の後ろに行き、
「わるいけど、今持っているお金全部かしてくれる」と言った、被害者が騒いだ
場合、押さえ込みやすいと思って後ろに回り込んだなどと供述している。当該供
述の任意性に疑いを生じさせる事情はない上、前記事実関係に整合しており、内
容に不合理な点もないから、信用できる。このような捜査段階の供述の存在も、
被害者を自室に誘い入れた当初からの金品強取目的を裏付ける。
これらの事情から、被告人が、金品を強取する目的で被害者を自室に誘い入れ
たことが認められる。
3 以上を前提に、被告人が、金品強取の目的で、殺意を持って、被害者の首を絞
め付けた

主文(判決文より)

被告人を無期懲役に処する。
未決勾留日数中180日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。