殺人

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和3(わ)3451
判決日2023-07-14
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、判示第2について、①被告人が意図的にシャワーで
高温の湯を浴びせたか否か、②被告人に殺意があったか否かである。
当裁判所は、①被告人が意図的にシャワーで高温の湯を浴びせた事
実は認められるが、②殺意は認められず、被告人には殺人罪ではなく
傷害致死罪が成立すると認定した。以下、その理由を説明する。
第2 当裁判所の判断
1 被告人が意図的にシャワーで高温の湯を浴びせたかについて
⑴ 被害者が、顔、頭、胸、背中、両手足など全身の90%程度に及ぶ
全周性の熱傷を負い、熱傷性ショックを起こして死亡したこと、熱
源がY方浴室のシャワーの湯であることは、医師らの証言等の証拠
から明らかである。そして、被害者がこのような熱傷を負うには、シ
ャワーの湯が被害者の全身にまんべんなく触れる必要があるが、被
害者が高温のシャワーを自ら浴び続けることは考えられない。また、
高温のシャワーがかかれば、当時3歳で運動能力に問題のなかった
被害者は、回避行動として、シャワーのかからない場所に逃げたり、
浴室の扉を開けて出たりするはずである。何らかの原因で一時的に
意識を失ったとしても、高温の湯がかかれば覚醒すると考えられる
し、仮に意識を失った状態が続いたとしても熱傷が全周性のものに
なるとも考え難い。よって、被害者が偶然に上記熱傷を負うことも
考えられない。
そうすると、第三者が被害者に意図的にシャワーを浴びせる以外
の方法で上記熱傷が生じるとは考えられないのであり、事件当時、シ
ャワーを浴びせることができたのは、被害者と2人でY方にいた被
告人だけであるから、被告人がシャワーで高温の湯を浴びせたとい
える。
⑵ これに対し、被告人は、「サウナ状態の浴室に被害者を閉じ込め、
熱中症のような状態にして懲らしめてやろうと思い、シャワーヘッ
ドを浴槽に向けてシャワーを出し、外から鍵をかけ、シャワーの温
度を60℃、更に75℃に上げた。一旦リビングに戻って15~2
0分後に様子を見に行くと、被害者が、洗い場の床に、排水溝の方に
頭を向け、うつぶせで倒れていた。この時、シャワーヘッドは洗い場
の方に向いていて、水圧が弱まっていた。」などと供述する。
しかし、⑴で述べたことに加え、高温の湯が出ているシャワーヘッ
ドの向きを被害者が自分の方に向けることや、勝手にシャワーヘッ
ドの向きが変わることは考えられない(甲36)。また、被告人の供
述によると、被害者は60℃又は75℃のシャワーの湯が出ている
浴室に閉じ込められているのに、出ようとせずにその場にとどまり
続けていたということになるが、被害者は浴室の鍵を開けることが
できたのであるから(Yの証言、被告人の供述)、これも不自然であ
る。被告人の供述には無理があり、信用できない。
⑶ 以上によれば、被告人が、被害者に対し、意図的にシャワ

主文(判決文より)

被告人を懲役10年に処する。
未決勾留日数中460日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。