死刑の執行告知と同日の死刑執行受忍義務不存在確認等請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和3(行ウ)122
判決日2024-04-15
分類民事
判決文が挙げた条文刑法11条1項、刑法11条2項、国家賠償法1条1項、憲法13条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
本件確認の訴えとの関係で下記(1)から(4)が、本件各賠償請求との関
係で下記(5)及び(6)が問題となっている。
(1)本件確認の訴えが法律上の争訟に該当するか否か
(2)本件確認の訴えを行政事件訴訟で争うことができるか(刑事訴訟と行政事
件訴訟との峻別)
(3)確認の利益の有無
(4)原告らに死刑執行告知と同日に死刑執行されることのない法的地位ないし
利益があるか否か
(5)本件各賠償請求の可否
(6)本件各賠償請求権の成否
3 争点に関する当事者の主張
(1)本件確認の訴えが法律上の争訟に該当するか否か
(被告の主張)
裁判所法3条1項にいう法律上の争訟とは、(1)当事者間の具体的な権利義
務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、(2)それが法令の適用
により終局的に解決することができるものに限られる。そして、上記(1)の要
件は、①当事者間に具体的な紛争が存在すること、②それが権利義務ないし
法律関係の存否に関するものであることの2つの要件に分けられる。
本件確認の訴えは、死刑確定者である原告らが、憲法や市民的及び政治的
権利に関する国際規約(以下「自由権規約」という。)の規定によれば、原告
らは死刑執行告知と同日に死刑執行されることのない法的地位ないし利益が
保障されている旨主張し、このような法的地位等が死刑執行の告知を死刑執
行の当日に行うという本件運用により現に侵害されている旨主張して、原告
らには本件運用に基づく死刑執行を受忍する義務がないことの確認を求めて
いるものである。
しかしながら、死刑確定者本人に対する死刑執行の告知をいつ行うかにつ
いては法令等に特別の定めはないし、刑事収容施設法及びその関係法令にお
いても、死刑確定者が、国又は刑事施設の長に対し、死刑執行に係る事前告
知を求める具体的な請求権を有することの根拠となり得る規定はない。また、
逆に、死刑執行の告知について、それを行う時期も含めて国又は刑事施設の
長になにがしかを義務付ける旨の規定も存在しない。そうすると、上記(1)②
の要件に関し、死刑執行について当日より前に告知を受けるべき法的権利な
いし法的に保護された利益をおよそ観念することはできないから、原告らの
請求は、結局のところ、死刑執行の告知に関して、原告らの望む時期に実施
してほしい旨、執行実施機関に対し、事実上の便宜を図るよう求めるものに
すぎない。
よって、本件確認の訴えは、具体的な権利ないし法律上保護された利益の
存否を離れて抽象的に、死刑執行の告知を執行当日に行う運用が刑訴法50
2条の異議申立権を侵害し違憲、違法である旨判断するよう、死刑確定者で
ある国民としての立場で求めるものにすぎないから、当事者間の具体的な権
利義務ないし法律関係の存否に関する紛争とはいえず、法律上の争訟には当
たらな

主文(判決文より)

1 本件各訴えのうち、死刑執行告知と同日にされる死刑執行を受忍する義務が
ないことの確認を求める部分をいずれも却下する。
2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。