電子計算機使用詐欺

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和5(わ)589
判決日2024-05-08
分類民事
判決文が挙げた条文刑法246条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点等
弁護人らは、判示各事実につき、客観的な事実は争わないが、電子計算機使用
詐欺罪の成否について、①「虚偽の情報」を与えていない【争点①】、②「財産
上不法な利益」を得ていない【争点②】、③故意がなく、不法領得の意思もない
【争点③】として、被告人らは無罪である旨主張する。
当裁判所は、被告人らは有罪であると判断したので、以下、その理由を補足し
て説明する。
2 前提となる事実
関係証拠によれば、次の事実が認められる。
被告人Aと被告人Cは、同居する兄弟である。被告人Bは、被告人Aの運転
手である。
⑵ 各判示記載の各日時において、被告人Aは、被告人C名義のETCカード(以
下「本件ETCカード」という。)が車載機に挿入された、被告人Bの運転する
自動車に乗り、本件ETCカードを使用して、各判示記載の区間の高速道路を
利用した。被告人Cは、同乗していなかったが、被告人Aらが本件ETCカード
を使用することを認めていた。
3 争点①(「虚偽の情報」を与えていないとの主張)の検討
⑴ 電子計算機使用詐欺罪における人の事務処理に使用する電子計算機に与える
「虚偽の情報」(刑法246条の2)とは、電子計算機を使用する当該システム
において予定されている事務処理の目的に照らし、その内容が真実に反する情
報をいうと解される(東京高等裁判所平成5年6月29日判決・高等裁判所刑
事判例集46巻2号189頁参照)。
そこで、ETCシステムについてみると、まず、ETCシステムとは、料金
の徴収を自動化するための機器及びこれを作動させるシステムの集合体をいい
(有料道路自動料金収受システムを使用する料金徴収事務の取扱いに関する省
令1条)、電子決済の一種であるところ、高速道路の混雑防止、キャッシュレス
化による利便性の向上、管理費の削減などを目的として運用が開始されたもの
である。
そして、ETCシステムを利用しようとする者は、ETCカードを発行する
者の定める手続により、ETCカードの貸与を受けることが必要となる(ET
Cシステム利用規程3条)。
被告人C名義の本件ETCカードについてみると、Eファイナンスが発行す
る被告人C名義の「E CARD」というクレジットカードに付帯して発行さ
れた「E ETC CARD」であり、これを被告人CがEファイナンスから貸
与を受けていることになる。
そして、クレジットカードに付帯するETCカードを使用した場合の料金の
支払いについては、D高速社の定めるD高速道路営業規則及びETCシステム
利用規程のほか、当該クレジットカード会社の定める会員規約によることとさ
れている(D高速道路営業規則17条2項)。
そこで、D高速道路営業規則をみると、「ETCカードによるD高速道路の
料金の支払いは、通行の都度、クレジットカード会社から貸与を受

主文(判決文より)

被告人3名をそれぞれ懲役10月に処する。
被告人3名に対し、未決勾留日数中各50日を、それぞれその刑に算
入する。
被告人B及び被告人Cに対し、この裁判が確定した日から3年間、そ
れぞれその刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人3名の連帯負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。